2002 Fiscal Year Annual Research Report
血漿中の腫瘍由来核酸を用いた腫瘍マーカー検査法の確立
Project/Area Number |
14572177
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大竹 茂樹 金沢大学, 医学部, 教授 (00160523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 廣和 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (30242548)
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Keywords | 非ホジキンリンパ腫 / 免疫グロブリン遺伝子 / CDR3 / PCR / 血漿中核酸 |
Research Abstract |
B細胞性リンパ系悪性腫瘍において、同一の免疫グロブリン遺伝子再構成を持った細胞が単クローン性に増殖している。この単クローン性増殖を、免疫グロブリンH鎖(IgH)の第3相補性決定部位(CDR3)をPCRで増幅することで判定でき(IgH-PCR法)、B細胞性リンパ系悪性腫瘍の診断や治療後の微小残存病変のモニタリングに有用とされている。 最近、血漿中に微量に存在するDNAを用いたIgH-PCR法が報告され、骨髄またはリンパ節を採取することなく担癌状態を評価できる可能性が示唆された。しかし、この報告では、IgH-PCR法によって増幅された血漿中DNAが腫瘍由来のものであるかどうかの検証はされていなかった。本研究では、B細胞性リンパ系悪牲腫瘍患者の末梢血白血病細胞と血漿を用いて、それぞれIgH-CDR3領域をsemi-nested PCR法で増幅し、その塩基配列の解析を試みた。 血漿を用いたIgH-PCRのclonalityの検出結果は、B細胞性リンパ系悪性疾患33例中12例(36%)陽性となり、これまでの報告よりも陽性率が低かった。非特異的バンドが見られたため、低頻度ながら陽性か陰性か判断できない例も見受けられた。非ホジキンリンパ腫では、マントル細胞型リンパ腫で陽性率が高く、濾胞性リンパ腫で低く、病型によって陽性率が異なっていた。さらに、白血病患者およびリンパ腫患者ともに病期が進行している程、陽性率が高かった。一方、健常者やT細胞性リンパ腫、骨髄性白血病は、全例陰性であり、特異性は高かった。 血漿を用いたIgH-PCRが陽性であった患者について、血漿と末梢血白血病細胞のIgH-PCR産物の塩基配列を決定したところ、全症例で両者の塩基配列が一致した。さらに、この塩基配列はこれまでに報告されている症例の塩基配列と相同性が認められた。このことから、血漿中のDNAは明らかに腫瘍細胞から放出されたものであることが証明された。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Jiebin Zhu: "The CD95/CD95L system mediates arsenic trioxide induced apoptosis in leukemia/lymphoma cell lines"Int j Cancer. (in press). (2003)
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[Publications] Miyazaki Y: "Cytogenetic heterogeneity of acute myeloid leukaemia (AML) with trilineage dysplasia : Japan Adult Leukaemia Study Group-AML 92 study"Br J Haematol. 120・1. 56-62 (2003)
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[Publications] Ohtake S: "Chronic myelogenous leukemia with p190BCR-ABL expression: the missing link with monocytosis"Intern Med.. 41・12. 1092-1093 (2002)
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[Publications] Terasaki Y, Okumura H, Ohtake S, Nakao S.: "Accelerated telomere length shortening in granulocytes: a diagnostic marker for myeloproliferative diseases"Exp Hematol.. 30(12). 1399-1404 (2002)
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[Publications] Takeuchi J: "Induction therapy by frequent administration of doxorubicin with four other drugs, followed by intensive consolidation and maintenance therapy for adult acute lymphoblastic leukemia : the JALSG-ALL93 study"Leukemia. 16・7. 1259-1266 (2002)
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[Publications] 大竹茂樹: "急性骨髄性白血病"臨床医. 28・10. 2107-2110 (2002)
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[Publications] 大竹 茂樹: "悪性リンパ腫免疫組織学的検査"診断と治療. 90・8. 1253-1258 (2002)
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[Publications] 大竹 茂樹: "急性骨髄性白血病の薬物療法"Bio Clin. 120・1. 56-62 (2002)
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[Publications] 大竹 茂樹: "急性リンパ性白血病の亜分類"血液・腫瘍科. 46・2. 136-142 (2003)