2002 Fiscal Year Annual Research Report
治療・処置を受ける子どものケアにおける遊びを中心とした介入モデルの開発
Project/Area Number |
14572264
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
齋藤 美紀子 弘前大学, 医学部, 助手 (40312508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 能理子 弘前大学, 医学部, 助手 (20281941)
高梨 一彦 弘前大学, 医学部, 助教授 (80197110)
一戸 とも子 弘前大学, 医学部, 教授 (10110412)
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Keywords | 子ども / 遊び / 医療処置 / 検査 / 入院生活 / 看護介入 |
Research Abstract |
本研究は遊びの持つ治療的な力に着目し、治療・処置の場面だけでなく、入院している子どもの生活全般を支えていくために遊びを最大限活用する介入モデルの構築を目指すものである。本年度は入院中の子どもの遊びがどのようにとらえられ、ケアに反映されているのかを、医学・看護学・心理学系の1990年以降の文献を元に検討した。また、子どもの入院生活を支援する専門職(チャイルドライフ・スペシャリストなど)に関しては、おもに外国の文献を検討した。その結果、遊びを実際の検査・処置場面に活用している事例の報告が多く見られるものの、遊びと看護介入との論理的な関連性に言及したものは少なく、経験的知見によって遊びがケアに取り入れられていることが分かった。看護・心理・教育系大学の卒業生に対する小児の発達段階の認識の調査では、ピアジェ理論をふまえてはいるものの、その知識はかなり暖昧であることが海外文献から明らかになった。一方、国内の研究では、看護師の子どもの発達に関する認識の調査はほとんど行われていなかった。子どものケアに携わる際、子どもの特徴を捉えていない現状は有効なケアの提供にとって不利であると思われ、これらの部分を探索する必要があることが分かった。しかし、心理系の文献からは、遊びは自発的なものであり、介入手段として遊びをとらえることの危険性も示唆された。 これらの文献検討をもとに、入院中の子どもの遊びの実態を知ることに加えて、病棟において子どもの遊びはどのように考えられているのか、医師・看護師の遊びと発達に対する認識はどのようなものなのかに関して、質問紙を検討した。この質問紙を元にフォーカスグループとなる小児科病棟看護師に対して聞き取り調査を行い、さらに全国の小児科病棟をもつ400床以上の病院に対して質問紙調査を行う予定である。
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