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2003 Fiscal Year Annual Research Report

流産した女性の非嘆体験と精神的苦痛尺度の考案

Research Project

Project/Area Number 14572269
Research InstitutionKANAZAWA UNIVERSITY

Principal Investigator

島田 啓子  金沢大学, 医学部, 助教授 (60115243)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 坂井 明美  金沢大学, 医学部, 教授 (90115238)
亀田 幸枝  金沢大学, 医学部, 助手 (40313671)
五十嵐 透子  上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (90293349)
Keywords流産 / 妊娠初期 / 悲哀 / 尺度 / 半構造化面接
Research Abstract

流産した女性に対するケアは、わが国において十分に提供されているとは言い難い。
本研究の目的は、流産した女性の悲哀体験を説明的に記述して、ケアに活用できるための精神的苦悩尺度を考案することであった。今年度は、前年に続いて流産した女性の事例を追加して、9事例の面接を行った。その内容の分析結果と既存尺度(Perinatal Bereavement ScaleおよびPerinatal Grief Intensity Scaleなど)を参考に、「流産後3ヶ月ごろの精神的苦悩」について尺度(J-PGIS)を試案し、聞き取り調査を行った。また、基準関連妥当性をみるためにZung's抑うつ尺度および併存的妥当性をみるためにWHO-QOLも同時に調査した。それぞれの尺度は高得点ほど悲哀感情が強い、回復が十分でなく抑うつ感情が強い、QOLが高い、という解釈になる。
結果として「J-PGIS」は平均40.1±5.6SD(range:20-80)、抑うつ感情は45.2±9.2(range:20-80)であった。得点のばらつきは、子供の有無や妊娠の受容、夫や家族など支援者の違いに左右されていた。また、QOLの高さは、現在の悲哀感情とほぼ近似していたが、J-PGISの結果とは不一致の事例が目立った。さらに、これまでの関連研究で竹の上らによれば、流産後3ヶ月頃を悲哀感情から回復する時期と報告しているが、事例によっては、流産後1年を経てもなお普通の自分を取り戻せていない事例があった。今回,考案した尺度の信頼性と妥当性を検討した結果、信頼性はα係数から求めアルファ=.656であった。内的整合性は一部問題が残るもののほぼ満たされた。このJ-PGISの構成概念妥当性について因子分析を行った結果、4因子の20項目からなり累積寄与率は70.6%であった。そしてJ-PGISの得点は、抑うつ得点と正の相関関係(r=.646p<.05)にあった。
以上のことから、今回の考案した精神的苦悩尺度は、流産後3ヵ月頃の女性の精神的苦悩を一部反映すると推察されたが、対象数も少なく振り返り調査であったことから一般化するには限界がある。今後はさらに対象数を増やして尺度の洗練と検証を重ねる必要がある。

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Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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