2004 Fiscal Year Annual Research Report
妊産婦におけるドメスティック・バイオレンスの被害実態と予防的ケアに関する研究
Project/Area Number |
14572288
|
Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
加納 尚美 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教授 (40202858)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 美穂子 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (50134169)
村木 敏明 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (20182115)
|
Keywords | ドメスティック・バイオレンス / 妊産婦 / リプロダクティブ・ヘルス / 出産体験 |
Research Abstract |
本年度の実施結果としては、2種類の方法を用いて、研究遂行を行なった。 以下に結果をまとめる。 1)茨城県南部の一地区において、病院、地域においてジェンダーに基づく暴力の実態を関連資料によって調査した。WHOの提唱する生態学的モデルの関連でみると、病院では救急外来にて、医療者が暴力被害について意識的に関わることにより、ジェンダーに基づく暴力被害の実態が見えてきた。特に病院では、個人レベル、家族レベルの情報が得られやすいことがわかった。地域レベルになると情報は希少となり、問題が潜在化していることが明らかになった。 2)茨城県南部、千葉県松戸市および東京都江戸川区・墨田区における妊産婦、関連専門職への面接調査に基づき調査票を開発した。それにより、協力の得られた産婦人科施設8箇所に郵送によるアンケート調査を2004年10月から12月に行った。対象は、産婦人科外来初診者および産褥1ヶ月を経た女性であった。内容は、妊娠・出産・産褥により心身の変化、家族等のサポートの有無、ストレスの程度、性暴力被害の有無、保健・医療で受けたサービス等であった。124名の初診の女性、241名の褥婦から回答があった。その結果、過去に性暴力被害にあっている、またはパートナーからの暴力被害にあっている妊産婦が2-3割程度みられたこと、そうした経験が妊産婦の健康、出産体験に多少なりとも影響を及ぼしていることが明らかになった。これらの結果により、妊産婦に対する予防的ケアを生態学的モデルに基づき構築する必要性が示唆された。
|
Research Products
(5 results)