2003 Fiscal Year Annual Research Report
小児慢性疾患患者の心の問題と家族のサポート機能-成育医療における思春期看護の検討
Project/Area Number |
14572301
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
丸 光惠 北里大学, 看護学部, 助教授 (50241980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 真 北里大学, 看護学部, 助手 (70338002)
中山 美由紀 北里大学, 看護学部, 講師 (70327451)
森 秀子 北里大学, 看護学部, 教授 (30276167)
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Keywords | 小児慢性疾患 / 心の問題 / 思春期 / 家族 / 心理 / 家族看護 / 小児看護 / 事例検討 |
Research Abstract |
小児慢性疾患患者の心の問題と家族のサポート機能に対する看護の実際および有効な援助方法に関する要因を見いだすため、本年度は計画どおり事例検討会を4回開催した。事例検討会開催時には同時に、先天性疾患患者の看護、家族看護、および精神科医より事例へのアドバイス、専門知識の提供を受けた。検討を行った事例は7例で、いずれもネフローゼ症候群、喘息、がん等の慢性疾患であった。小児慢性疾患患者の心の問題の発生要因として、初発等で病状・治療方針が定まらない、増悪・再燃を繰り返しながらの長期療養、高校進学などライフイベント時の発症・増悪などがあげられた。また家族の要因としては、母親が精神疾患等による役割機能の喪失、家庭内暴力等の問題、親自身の子どもの疾病受容などによってサポート機能が損なわれている状況が明らかになった。看護師は1)患者の問題点の見極め、2)初発・病状悪化時の支援、3)患者とのコミュニケーション、4)父親が機能していない家族のアセスメントと支援、5)サポート機能の低い家族、複雑な人間関係の家族への対応に苦慮しており、これらに対する看護指針の必要性を認めた。さらに、小児慢性疾患をもつ思春期の心の問題の実態と家族のサポート機能および、心の問題に対する看護の実態について調査を行った。全国の小児科を有する100床以上の施設を病院要覧より無作為に抽出し、355施設に調査票を郵送した。平成15年3月現在、77施設より心の問題のある患者について記載された調査票が返送されている。記述統計より、心の問題には年齢や罹病期間との関連性が示唆され、また痛みに対する抑うつなど病状より予測可能なものから精神科医の介入が必要なものまで幅広いことが明らかになった。これらの結果については第14回日本小児看護学会、国際行動医療学会にて発表予定である。来年度はさらに事例検討会を2回開催したのち、調査結果を活用しながら総括を行い、看護の指針作りを目指す予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 丸 光惠: "10代の小児慢性疾患患者の心の問題と看護の実態に関する調査"日本小児看護学会第14回学術集会抄録集. (発表予定). (2004)
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[Publications] Maru, M.: "Psychoemotional problems among chronically-ill adolescents"International Congress of Behav.Med.. (発表予定).