2002 Fiscal Year Annual Research Report
早期自然流産後の女性と配偶者の喪失,悲嘆とその支援
Project/Area Number |
14572302
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
竹ノ上 ケイ子 慶應義塾大学, 看護医療学部, 教授 (30149710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 恵子 慶應義塾大学, 看護医療学部・看護学部, 助手 (30338206)
佐藤 珠美 日本赤十字九州国際看護大学, 助教授 (50274600)
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Keywords | 自然流産 / 女性 / 男性 / カップル / 悲嘆 / 支援システム |
Research Abstract |
平成14年度は,早期自然流産後の女性と配偶者の喪失,悲嘆の実態を多方面から詳細に知ることを目標とし,文献,資料の収集と整理,インターネットでの情報検索,ソーシャルサポートグループの状況把握を行った。それらの実態を踏まえて早期自然流産後の女性と配偶者ためにインターネットのホームページを開設した。また,より詳細な内容実態を知るために,流産後のカップルを対象とした面接調査を開始した。 得られた結果として,(1)医療・看護系の専門雑誌上で,流産・死産後の女性の援助についての論文が増えつつあると思われた。Web上で情報検索を行ったところ,過去に流産の体験がある女性たちの手によるWebサイトがいくつかあり,体験者同士がインターネットを介してコミュニケーションをはかり,相互にサポートし合っていた。悲しみを癒し,悲嘆から回復する一つの方法として,インターネットが役割を果たせるのではないかと考えるに至った。 (2)Web上で得られる情報には大きく2つの流れがあることがわかった。一つは病院・医院,あるいは医師個人が開設しているホームページで医学的知識を中心にしたもの,もう一つは流産体験のある女性たちが開設している体験談,情報交換,癒し合いを中心にしたものであった。男性へのサポート,カップル双方への援助に関する知識や情報が無かったので,研究グループがホームページを開設し情報提供することとした。今後,反応を見ながら,さらに内容を充実させていく予定である。 (3)カップルを対象にした面接調査は協力機関との調整等の準備に時間を要し,データ収集を開始したところである。得られたデータの範囲内でみると,やはり女性と男性では悲嘆(悲しみ)の受け止めや気持ちの表現に違いがあるものと思われる。これまでは女性に対する援助が中心に考えられていたが,男性への援助も考えていく必要があると予測される。今後,さらに対象者数を増やして内容を分析し,実情に合った援助システムを考える予定である。
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Research Products
(1 results)