2003 Fiscal Year Annual Research Report
直腸癌肛門括約筋温存術後患者の排便障害軽減のための看護支援の効果に関する研究
Project/Area Number |
14572310
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
佐藤 正美 東海大学, 健康科学部, 助教授 (60279833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
数間 恵子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10114258)
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Keywords | 排便傷害 / 術後傷害 / 看護 / soiling / 直腸癌 / 肛門括約筋温存術 / 低位前方切除術 / 排便機能 |
Research Abstract |
1.文献検討 海外においても、直腸癌肛門括約筋温存術後の障害を軽減する治療方法について、臨床医学研究が重ねられているが、国内の研究と同様に、排便障害を持ちながらの生活の詳細な実態、効果的な看護支援等の報告は見あたらない。直腸癌肛門括約筋温存術後の排便障害が自尊心(self-esteem)に関連していることの報告はされたが、その障害を軽減または予防する看護支援方法、および看護支援の効果に関する知見はほとんど得られていない。 2.術後排便障害の症状と日常生活上の困難感についての実態調査と排便障害に影響する要因の探索 直腸癌肛門括約筋温存術後の排便障害の症状は、前年度の調査より、退院直後から1-3ヶ月がもっともシビアなことが明らかとなったが、1年以上経過し排便症状が回復に向かっていても、排便に関する満足度が低いケースもあった。排便回数が少なくなり1日の大半が「排便」に振り回されなくなったとしても、排便後の爽快感が得られず残便感が持続し、日によって異なる排便リズムにより、満足度が低い評価となっているようである。さらに、術後の特異な排便状態について、家族や知り合いには話せず、また話してもなかなか理解は得られず一人悩んでいるケースもあり、心理的支援を必要としていた。 術後生じた排便障害に対する個々の工夫の中で効果的な生活上の調整は、ウォッシュレットの利用、処方された緩下剤や整腸剤の内服調整、刺激物の飲食調整などであった。最も影響するのは便性状の調整で、有形便であればsoilingもなく社会生活に支障も少なかった。術後イレウスの不安から、食物繊維を制限し、便を出すことに集中している傾向があり、症状出現との関係をさらに探索する必要が示唆された。 3.術後排便障害軽減のための看護支援プログラムの開発 上記結果を踏まえて、現在看護支援プログラムを検討、開発中である。
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