2004 Fiscal Year Annual Research Report
化学繊維の極細化による表面積の増大と吸湿性における表面の寄与
Project/Area Number |
14580131
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Research Institution | Seitoku Junior College of Nutrition |
Principal Investigator |
牛腸 ヒロミ 聖徳栄養短期大学, 教授 (80114916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸井 正樹 聖徳栄養短期大学, 助教授 (50181821)
山本 直子 聖徳栄養短期大学, 助手
小見山 二郎 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (60016574)
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Keywords | ナイロン-6極細繊維 / 表面 / インバースガスクロマトグラフ法 / 吸湿量 / BET理論 / DSC / 融点 / 融解挙動 |
Research Abstract |
溶融紡糸法、海島紡糸法で作られた直径0.4〜20.0μmのレギュラー、極細、超極細ナイロン-6繊維の吸湿量をインバースガスクロマトグラフ法で精確に測定し、融解挙動を示差走査熱量計(DSC)で分析し、詳細に解析した。 平成14年度までに直径2.0〜20.0μmのナイロン-6繊維をかせ状にして、長さ5〜50cmのステンレスカラムに詰め、吸湿量を測定した所、化学構造は同じであるにも関わらず、測定温度範囲内で繊維の直径が1/10程度になると吸湿量は2倍程度大きくなり、吸湿量は繊維直径、即ち、繊維の表面積の量に依存することが分かった。 昨年度から今年度にかけては、さらに細い0.4〜0.9μmの超極細ナイロン-6繊維は不織布であったので、繊維状にほぐし、ポリ4-フッ化ビニリデン担体と混合して長さ20〜30cmのガラスカラムに充填した。直系0.9μmの試料Aは測定温度55℃から80℃の範囲で吸湿量の測定ができ、それ以上の温度とそれ以下の温度では測定が出来なかった。0.9μmの試料Bでは吸湿量測定可能温度は55〜75℃であった。0.6μmの試料Cは60〜80℃であった。かせ状の試料に比べ、測定可能温度領域がせばまったことに着目したい。この領域での吸湿量と繊維の表面積との関係を探っている。 一方、繊維分子の凝集状態を反映する熱分析により、0.4〜0.9μmの超極細ナイロン-6繊維の融解挙動も精密に測定した。昨年度の実験で、直径0.4μmの超極細繊維の融解ピークは昇温速度の違いによって、ピークの形、分離性ともに変化し、昇温速度依存性があることが分かっていたので、5℃/minで昇温し、その融解挙動を観察した。融解開始温度と融点は繊維が細くなるほど低下し、繊維の細さの効果が表れた。結晶化度は繊維直径が最も大きい直径9μmの極細繊維試料が最も小さく、直径0.4〜0.9μmの超極細繊維試料は直径9μmの極細繊維試料より大きかった。結晶化度が大きいにも関わらず融解開始温度や融点が低いのは表面の効果であると推測した。
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Research Products
(3 results)