2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580136
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
鈴木 恵美子 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (80154524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉田 忠男 新潟薬科大学, 応用生命科学部, 教授 (60011920)
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Keywords | 糖尿病 / アスコルビン酸 |
Research Abstract |
国民病の一つといえるようになった糖尿病では、体内は酸化を受けやすい状態にある。そこで、このような酸化ストレスを負荷した場合における抗酸化ビタミン、アスコルビン酸の体内動態を明らかにするとともに、健康へのリスクを軽減化する食生活を提言することを目的として実験を行った。 本年度は実験動物にウィスター系ラットを用いた。ストレプトゾトシンを腹腔内投与して糖尿病を発症させて、21日間の飼育試験を行った。ストレプトゾトシン投与ラットの尿中グルコース排泄量は明らかに正常ラットより高く、糖尿病を発症したことを確認した。正常ラットの肝臓および腎臓中のアスコルビン酸量は糖尿病ラットと同程度であった。血漿アスコルビン酸濃度は糖尿病ラットの方が正常ラットよりも低かった。糖尿病ラットの肝臓のTBA値は正常ラットと顕著な差はみられなかった。 さらに、血液中のグルコース濃度が高い場合の体内組織細胞における、アスコルビン酸動態を明らかにするために、ヒト肝ガン由来のHepG2細胞を用いて実験を行った。グルコースを4.5g/lとなるように添加した高グルコース培地でHepG2細胞を培養した場合の生育と、培地グルコース濃度が1.0g/lの場合との間に差は認められなかった。それぞれの培地にアスコルビン酸が0.05mMとなるように添加して、HepG2細胞を培養した。細胞中のアスコルビン酸量をみると、高グルコース培地で培養した場合より正常なグルコース濃度の培地の場合の方が高い傾向がみられた。グルコース濃度が高いと細胞のアスコルビン酸の取り込みが抑制されることが示唆された。この結果、糖尿病を発症すると体内のビタミンC栄養状態は低くなり、酸化を受けやすいものと思われる。
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