2004 Fiscal Year Annual Research Report
科学・技術観及び科学リテラシー論解明に基づく新しい科学教育の展開
Project/Area Number |
14580179
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長洲 南海男 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (90018044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊野 善介 静岡大学, 教育学部, 助教授 (90252155)
丹沢 哲郎 静岡大学, 教育学部, 助教授 (60272142)
今村 哲史 山形大学, 教育学部, 助教授 (00272055)
片平 克弘 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (70214327)
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Keywords | 科学リテラシー(SL) / 全米科学教育スタンダード / AAASプロジェクト2061 / BSCS / PISSA / 意思決定 / イシューズ / Critical thinking(総合的判断思考) |
Research Abstract |
これまでの米国の全米科学教育スタンダードやAAASプロジェクト2061におけるScientific Literacy(以下SLと略称)それにBSCSにおけるBiological Literacy、他方欧州OECDのPISSAにおけるSLに関する生徒の認識調査等の分析より、日本においてマスメディアや近年の科学リテラシー主張者の意味内容が限定的に使われていると見なせた。すなわち一般大衆に必要な科学的な基礎知識を習得しているか否かの観点のみで、SLを有するか否かと判断されていた。しかし、上記欧米のSLは科学的知識のみならず、その知識を用いて科学、技術、社会に関する様々な現実社会の問題やイシューズに対して、いかなる意思決定をし、その意思決定に際してCritical thinking(総合的判断思考)を如何に働かせるかが本来のSLの意味内容である。そこでこのような観点に立って、自動車購入を想定して、その選択という意思決定のためにいかなる情報を収集し、その情報の信頼性、そしてその判断基準を聞く調査問題を作成し、1週間かけてこれらのことを行った後に応答する形式にした。対象は高校生、大学生合計約500名。その結果、情報源はインターネット、TVや新聞それに身近な大人、理系は特にカタログであった。情報の内容は排ガス等の環境、社会への影響にも考慮し、結果的ハイブリッド車に決定したのが半数になった。 よって、欧米のSL関連文献や報告書それに我々のSL調査問題などの分析結果、科学、技術に関する基礎知識のみならず、科学、技術、社会に関する現実の問題やイシューズを積極的に取り上げ、それらの解決、意思決定に対する具体的な教育内容と指導方法を科学教育のカリキュラムに組み込む観点が、新しい科学教育の展開と言える。
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Research Products
(1 results)