2003 Fiscal Year Annual Research Report
大学コミュニティにおける留学生のコミュニケーションに関する研究
Project/Area Number |
14580329
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三牧 陽子 大阪大学, 留学生センター, 教授 (30239339)
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Keywords | 大学コミュニティ / 理工系研究留学生 / 研究室内のコミュニケーション / コードスイッチング / フォリナートーク / ディスコースのポライトネス / 待遇レベル管理 / 研究室文化 |
Research Abstract |
本研究は、大学コミュニティ、特に理工系研究室内における大学院レベルの研究留学生、教官、日本人学生間のコミュニケーションを研究対象に、理工系留学生を研究室に加入した時点から最長3年間追跡調査するケーススタディである。 2年目の今年度は、調査協力者となる理工系研究留学生を1名増やし、調査協力者の核となる留学生は合計2名となった。前年度と同様、研究留学生およびその所属研究室(指導教官、研究室メンバー)へ協力依頼した後、双方の協力了承が得られるまで十分趣旨説明をし、了承が得られた後、調査対象研究室の背景情報(構成メンバー、日課、研究の進め方など)の聞き取り調査を行った。当該研究室の特性を配慮した定期的な生のコミュニケーション資料収集可能なアクティビティーを決定し、収集スケジュールを決定したうえで、留学生と教官間、留学生と日本人学生間の生のコミュニケーションデータの収集(ICレコーダーを主に使用)、および、留学生、指導教官、また、当該留学生との接触頻度の高い日本人学生に対して、できごとの確認および各自の感想・意見等についての定期的なインタビューを実施している。得られた2種類のデータは、言語学的側面(場面による言語選択、フォリナートーク、待遇レベル管理)、談話的側面(トピック管理、発話権の獲得、ポライトネス等)、異文化理解的側面(異文化接触スキル、関係性の構築過程、相手文化に対するイメージの変化、カテゴリー化、共感性等)から詳細にまた包括的に分析し、その特徴と時間軸に沿った変化の様相を、環境的要因も含めた文脈の中で総合的に明らかにする予定である。
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