2004 Fiscal Year Annual Research Report
大学コミュニティにおける留学生のコミュニケーションに関する研究
Project/Area Number |
14580329
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三牧 陽子 大阪大学, 留学生センター, 教授 (30239339)
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Keywords | 理工系研究留学生 / 研究室内のコミュニケーション / 使用言語 / フォリナートーク / 研究室文化 / 基本的スピーチレベル |
Research Abstract |
大学内の2カ所の理工系研究室をフィールドとし、研究室構成メンバーに対する定期的なインタビューデータ(3ヵ月に1回)および自然会話データを前年に引き続き収集した。調査協力者は研究室の構成メンバーの変化に対応して、研究室1では、教員2、留学生1、日本人学生1、研究室2では、教員2、日本人学生2、留学生4と増加し、研究室内のコミュニケーションの様相および研究室構成員の意識に関するデータを蓄積した。その結果から、 1 言語的分析 各メンバー間の使用言語(日本語・英語)選択の最大の要因は留学生の日本語能力であるが、日本語能力初級の留学生に英語で話しかけられた日本人学生には、英語を選択する者とフォリナートークの日本語を使用する者があり個人差がみられた。また、留学生の研究室配置後の日本語習得には、研究室の構成メンバー比、研究室の日本人学生の英語力、研究室の国際的雰囲気等が関与することが明らかになった。留学生数が少なくかつ研究室の日本人学生に英語が通じないため自分が日本語を習得するしかないと初期の段階で決心したと留学生が語る研究室1では留学生の日本語能力の上達が早く現在では英語は全く使用されていない。一方留学生数の方が日本人学生数を上回る研究室2では日本語と英語が併用され、メンバーの組み合わせによって使用言語のパターンが決まっている。日本語の基本的スピーチレベルについては、留学生の日本語能力が低い場合には相互に丁寧体が基本となっている。 2 談話の分析 会話の主導権、トピック、ポライトネス等に注目して、会話参加者の社会的上下関係、知識量の差、母語話者/非母語話者という要因も視野に入れつつ会話データの分析を進めている。 3「研究室文化」について 定期的なインタビューから、研究室の行事とその意味、役割分担、研究室内での行動に関するオリエンテーション、研究・学習ストラテジーの指導体制、研究室内の人間関係への期待、研究室に留学生を受け入れることの意味についての分析をまとめている段階である。
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