2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580487
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
新井 健 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (60126266)
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Keywords | セル・オートマトン / 土地利用モデル / 細密土地利用 / 柏市 / 遷移ポテンシャル / 大都市圏 |
Research Abstract |
大都市圏内の都市域を対象とした街区単位(100m四方の土地区画単位)の土地利用動態モデルの開発研究と、都市内の商業地区、幹線道路沿道地区を対象とした10m四方の宅地区画単位の土地利用動態モデルの開発研究を進展させた。具体的には、都市域対象の研究では、千葉県柏市、我孫子市を中心とした、10km四方の地域を事例地域とし、都市の中の地区を対象とした研究では、千葉県木更津駅周辺地区と国道16号線沿道(野田・柏市内)を事例地域とした。首都圏の細密土地利用データ(10mメッシュ単位、5年間隔5時点分)を利用した統計解析により、街区単位レベルと宅地区画単位レベルにおける、土地利用用途間の遷移ポテンシャル関数の推定を行なった。遷移ポテンシャル関数に含まれる説明要因は、遷移ポテンシャルを求める街区(または区画)自体の現況用途、その街区の近傍の街区(または区画)の現況用途、その街区の交通利便性(鉄道駅への近接性、幹線道路への近接性)、都市計画による規制等条件の有無、自然条件(傾斜など)が含まれるが、特に、近傍街区(または区画)の用途、交通利便性と遷移ポテンシャルの関係に重点を置いた分析を進めた。その結果、遷移ポテンシャルと近傍内のある土地利用の街区(区画)の個数の間の非線形な関係、あるいは、遷移ポテンシャルに与える近傍内の各用途の影響の相対的な強度について、多くの知見が得られた。しかし、まだ、遷移ポテンシャル関数の第1次的な推定段階にあり、長期的な経済変動の影響の考慮、広域的な土地需要の想定、大規模開発事業の考慮、などの課題を残しており、都市域レベルの研究と地区レベルの研究を統合して、長期的な詳細土地利用動態モデルを精緻化する方向にさらに研究を進めて行く計画である。
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Research Products
(1 results)