2003 Fiscal Year Annual Research Report
IT強震計を用いた草の根型地震防災情報システムに関する研究
Project/Area Number |
14580502
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鷹野 澄 東京大学, 地震研究所, 助教授 (80134659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴岡 弘 東京大学, 地震研究所, 助手 (10280562)
阿部 勝征 東京大学, 地震研究所, 教授 (40002175)
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Keywords | IT強震計 / 地震防災情報システム |
Research Abstract |
本年度は,IT強震計を用いた草の根型地震防災情報システムの実現を目指して,前年度から引き続きIT強震計の小型プロトタイプの試作とデータ転送方式の設計と試作を実施した。 (1)IT強震計の小型プロトタイプの試作 前年度の成果を元に、小型で安価なIT強震計のプロトタイプを試作した。これは、加速度センサー,24bitのAD, Linux搭載のマイクロサーバなどの安価なパーツを組み合わせた新たなハードウェアを設計し試作したものである。サイズは縦横30cm程度、高さ10cm程度である。試作品であるため1台の費用はまだ高いが、それでも同等の性能を有する地震計に比べて安価に製作できた。従来の地震計は単なるAD出力であるが、IT強震計はコンピュータを内蔵しデータを保存できるシステムとなっているため、搭載するソフトウェアによって,波形データのみならず、計測震度相当値や、SI値など様々な出力が取り出せる。さらにIT強震計は、Webサーバ機能を有するため、利用者のPCからアクセスすることで、リアルタイムの波形表示、震度表示、センターサーバからの情報の表示などを可能にすることができる。これらの機能は、従来の強震計、地震計にはないもので、"IT"という冠をつけたゆえんである。今回の試作により、将来のより安価な普及型IT強震計を実現する見通しがついた。 (2)データ転送方式の設計と試作 ハードウェアの試作と平行して、データ転送方式についての設計と試作に着手した。IT地震計からのデータ収集方式としては、WIN/UDP方式のほかに、httpとJavaで構築したエージェント/クライアント通信方式を開発した。これはIT強震計がエージェントとなって必要な情報を収集し、利用者のクライアントPCへ情報提供するしくみである。これを用いて、クライアントPCからIT強震計のWEBサーバにhttpで接続しリアルタイムで波形データを受信して表示するソフトウェアを試作した。今後この仕組みを発展して,エージェント間通信プロトコル、エージェントとセンターシステムのプロトコルなどにも応用を広げる予定である。
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