2004 Fiscal Year Annual Research Report
バイオリージョナリズムに基礎をおく京都の自然と生活文化に関する調査およびその展開
Project/Area Number |
14580601
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
勝矢 淳雄 京都産業大学, 理学部, 教授 (00065848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 健 京都産業大学, 理学部, 教授 (10065807)
河野 勝彦 京都産業大学, 文化学部, 教授 (50103718)
山岸 博 京都産業大学, 工学部, 教授 (10210345)
野村 哲郎 京都産業大学, 工学部, 教授 (50189437)
宇戸 純子 京都造形芸術大学, 芸術学部, 助教授 (30271472)
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Keywords | バイオリージョナリズム / ナミテントウ / 黒ぼく土 / 社家 / 環境学習 / 気象擾乱 / 線上降水帯 / 環境倫理 |
Research Abstract |
バイオリージョナリズムに基礎をおいた地域との連携を通じて、小学生を対象とした社家の見学会、小学生と保護者を主な対象とした月のクレーターの観望会、地域住民を主な対象としたシンポジウムの開催、社会を対象とした社家住宅の特別公開を実施した。これらの活動を通じて、社家の見学会は地元の上賀茂探検クラブにその主体を移行することができ、地域の行事として定着させることができた。バイオリージョナリズムの精神からも地域との連携には研究者が地域との間にどのように信頼関係をつくり上げていくかが重要であり、それを実証的に明らかにした。地域の環境学習の基礎調査になることをも意図して、ナミテントウ集団の翅紋多型に関する調査を上賀茂地域で集中的に行うと同時に、新潟市、佐渡赤泊、大分県南海部郡において採集を行い比較検討した。各地域内での環境変化に適合した小進化が頻度の一定方向への経時的変化をもたらしており、遺伝子的頻度のこのような変化をもたらした環境の変化は、気候の温暖化が最も重要といえる。上賀茂の中位・低位段丘上には、農家が黒ぼく土と呼んでいる腐植に富む厚い暗色土層を持つ土壌が分布している。分析の結果、この土壌はリン酸吸収係数が高いが、粘土は結晶性粘土鉱物からなることから、非アロフェン黒ぼく土であると結論した。主要な母材は火山灰ではなく、非火山性物質と推定される。京都地域における風速や降雨量の年最大値について。その発現の原因となった気象擾乱(台風と非台風)について調べ、また京阪神地域で発生する線状降水帯について統計解析と事例解析を試み、その特性を明らかにした。環境省から発行されている環境白書を素材に、日本政府が環境問題を考える際に、環境倫理をどのように位置づけているかを分析し、環境問題への対処において環境倫理がいかなる役割を果たすかを考察した。
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Research Products
(7 results)