2003 Fiscal Year Annual Research Report
N-グリコシド結合糖鎖を認識するユビキチンリガーゼの構造と機能
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14580635
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Research Institution | The Tokyo Metropolitan Organization of Medical Science |
Principal Investigator |
田井 直 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 参事研究員 (70112092)
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Keywords | N-結合型糖鎖 / ユビキチンリガーゼ / プロテアソーム / Fbx2 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、糖鎖を認識するユビキチンリガーゼFbx2の構造と機能を解析し、以下の成果を得た。(1)Fbx2は蛋白質の品質管理に関与する:Fbx2は、ニューロン、しかも成体の脳に特異的に発現されており、神経細胞内で品質管理の役割を担っている可能性を示唆する結果が得られている。小胞体関連分解の基質の一つであるCystic fibrosis transmembrane conductance regulator変異体をCOS細胞に導入したモデル実験系を用いて、Fbx2の小胞体関連分解への関与を調べた。野生型のFbx2を強制発現させると凝集体の形成が抑えられたが、変異型Fbx2や他のF-box蛋白質ではこの現象は観察されなかった。この結果は、Fbx2が凝集体形成すなわち蛋白質の品質管理に関与することを示唆した。(2)Fbx2はファミリーを形成する:Fbx2のホモログとして幾つかの遺伝子が明らかにされ、ファミリーを形成することが報告されている。ヒトでは、5種類の遺伝子が見つかり、このファミリーをFBGと命名することが提唱されている。マウスのFbx2/FBG1/Fbs1とFbx6b/FBG2/Fbs2を比較検討したところ、Fbx6Bの糖鎖結合特異性はFbx2と比べて少し親和力が弱いものの、Fbx2と非常によく似た特異性を持つことが判明した。すなわち、高マンノース型のN-結合型糖鎖と特異的に反応することが明らかにされた。しかし組織における発現は全く異なっていた。Fbx2はニューロンと睾丸にのみ検出されたが、Fbx6Bはほぼ全ての臓器・組織に発現が認めらた。FBG3は、FBG2と75%の相同性を示し、その組織における発現はほぼユビキタスである。しかし、FBG3の糖鎖結合能は確認されなかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kawashima, I.: "Expansion of natural killer cells in mice transgenic for IgM antibody."Int.J.Oncol.. 23. 381-388 (2003)
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[Publications] Yoshida, Y.: "Fbs2 is a new member of the E3 ubiquitin ligase family."J.Biol.Chem.. 278. 43877-43884 (2003)
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[Publications] Ando, S.: "Synaptic function of cholinergic-specific chol-1-α ganglioside."Neurochem.Res.. (2004)
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[Publications] Ogura, K.: "Galactosylceramide expression factor-1 induces myogenesis."Arch.Biochem.Biophys.. (2004)