2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14594005
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
岩本 美砂子 三重大学, 人文学部, 教授 (00176570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 文野 跡見学園女子大学, マネジメント部, 講師 (80348169)
田中 和子 國学院大学, 法学部, 教授 (50146742)
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Keywords | ジェンダー / ナショナルマシナリー / 女性 / 女性政策 |
Research Abstract |
Drothy McBride & Amy G. Mazur編著の"Compareative State Feminism"を分担して翻訳し、フランス・イタリア・ドイツ・ポーランド・オーストラリア・カナダ・ノルウェー・スウェーデン・オランダ・イギリス・アイルランド・スペイン・アメリカ合衆国・デンマークに関して、その「ジェンダーに関するナショナルマシナリー」の概要を把握した、翻訳に当たっては、各国の政治事情の理解に努め、より適切な翻訳となるようにした。 各国のナショナルマシナリーは、その国の「国家と社会の編成のされ方」に大きく影響を受けるという編者の視角が貫徹していた。例えば、高度に集権化された国家を持つフランスでは、ディリジズムの伝統の中に入っていけない「ジェンダーに関するナショナルマシナリー」は、影響力が弱いままに留まる。連邦制のドイツでは、州での権限が重要である。またイタリアのESONCのように、議会における女性の進出をすすめるキャンペーンを行う場合もある。 「ジェンダーに関するナショナルマシナリー」は、つねに女性運動と同じ価値を推進するのでないこともわかった。男性中心に営まれてきた国家官僚制の惰性・政党政治上のかけひき、新保守主義の台頭などにより、女性官僚(フェモクラット)と女性運動の結びつきは、常に脅かされているのである。日本についての検討を始めるにあたり、十分留意すべき点であることを確認した。
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