2003 Fiscal Year Annual Research Report
労働法のジェンダー分析-ジェンダーの視点からの労働法の再構築に向けて-
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14594011
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
浅倉 むつ子 東京都立大学, 法学部, 教授 (80128561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 史郎 立命館大学, 法学部, 教授 (90066720)
林 弘子 福岡大学, 法学部, 教授 (40071922)
石田 眞 早稲田大学, 法学部, 教授 (80114370)
中窪 裕也 千葉大学, 法経学部, 教授 (90134436)
小宮 文人 北海学園大学, 法学部, 教授 (10145980)
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Keywords | ジェンダー / 労働法 / 性差別 / 間接性差別 / セクシャル・ハラスメント / 均等待遇 |
Research Abstract |
本研究は、ジェンダーの視点から従来の労働法を批判的に解析することを目的とするものである。そのために、本研究は、第一に、労働法がジェンダー分析という実践的な営為により、どのような変革を迫られているかを、比較と実証にもとづいて明らかにした。第二に、世界中の国々が共通に解決を迫られている法的課題として、各国における労働法のジェンダー分析の焦点としての「間接性差別禁止法理」、「男女間の賃金差別禁止法理」、「労働生活と家族生活の両立問題」(アンペイド・ワーク論)を素材に、そこにおける理論的・制度的な転換の様相を具体的に明らかにした。本年度は、日本、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア等における労働法のジェンダー分析の歴史と現状そして課題について、それぞれの国と日本の比較研究を行なった。前半には、国内における文献研究を蓄積した。そのうえで、研究の集約として、2004年3月に、国際シンポジウム「労働法のジェンダー分析」を立命館大学において開催した。「労働法のジェンダー分析」「差別と雇用平等」「仕事と家庭の両立と社会法」のテーマをめぐって、Linda Krieger(米・カリフォルニア大学バークレー校)、Consuelo Chacartegue(スペイン・ポンペウ・ファブラ大学)、Carole Cooper(南アフリカ・ウィットワタースラン大学)、Joanne Conaghan(英・ケント大学)、Kerry Rittich(カナダ・トロント大学)、Deborah Maranville(米・ワシントン大学)、Rosemary Owens(豪・アデレード大学)、Juria Lopez(スペイン・ポンペウ・ファブラ大学)、Anna Chapman(豪・メルボルン大学)、浅倉むつ子(東京都立大学)、林弘子(福岡大学)、相沢美智子(束京大学)が報告と討諭を行った。一般からの参加者も加えて120名規模のシンポジウムであり、盛会であった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 浅倉むつ子: "女性差別撤廃条約と企業の是正義務-男女昇格差別判例を素材に"国際人権. 14号. 28-37 (2003)
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[Publications] 浅倉むつ子: "労働形態の多様化とジェンダー"法律時報. 75巻5号. 41-45 (2003)
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[Publications] 林 弘子: "雇用差別をめぐる日本の課題と先進国の現状"世界の労働. 2004年2月号. 32-41 (2004)
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[Publications] 林 弘子: "男女間賃金差別をめぐる法的問題-同一労働同一賃金原則とコース別雇用"女性労働研究. 45号. 22-36 (2004)
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[Publications] 石田 眞: "男女共同参画とパートタイム労働"労働法律旬報. 1557号. 4-5 (2003)
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[Publications] 中窪 裕也: "男女コース別処遇による賃金格差の違法性"ジェリスト. 1258号. 195-198 (2003)
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[Publications] 浅倉むつ子: "導入対話によるジェンダー法学"不磨書房. 247 (2003)