2002 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物におけるアポトーシス関連因子の分子細胞生物学的研究
Project/Area Number |
14740443
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
林 潤 福井県立大学, 生物資源学部, 助手 (50336608)
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Keywords | アポトーシス / プロトプラスト / プロモーターGUS |
Research Abstract |
1.アポトーシス関連遺伝子の同定 シロイヌナズナから動物のアポトーシス関連因子と類似性の高い4種類の遺伝子(BI, DAD, IAP, meta-caspase)を単離、同定した。現在、各遺伝子がコードするタンパク質の精製を行い、ポリクローナル抗体を作成中である。 2.植物個体から細胞レベルでのアポトーシス細胞死誘導実験系の確立 野生型シロイヌナズナ植物個体より高生存度プロトプラスト調製法を確立した。また、得られたプロトプラスト液中にフモニシンB1及びメナジオンによる薬剤処理を行った結果プロトプラストのアポトーシス細胞死が観察された。以上のことより、細胞レベルでのアポトーシス細胞死誘導実験系が確立できた。 3.類似性遺伝子の形質転換個体のホモラインの同定、解析 各類似性遺伝子(BI, DAD, IAP)の過剰発現個体、発現抑制個体のホモラインを同定した。 4.プロモーターGUS形質転換個体のホモラインを同定、解析 各類似性遺伝子のプロモーター領域にトレーサーとしてGUSを連結した(プロモーターGUS)形質転換個体を作製し、各類似性遺伝子の発現を組織レベルで解析した。その結果、植物個体においてアポトーシスが生じる部位(花茎、根端及び根の維管束系)において、アポトーシスが生じる時期に特異的に各遺伝子が発現していることが示された。 5.ヒトBaxを導入した形質転換個体の作製 植物で細胞死を誘導することが報告されているヒトBaxをグルココルチコイド誘導系ベクターに組み導入した形質転換体を作製した。得られた形質転換体をグルココルチコイド培地上に移植したスクリーニングの結果、実際に細胞死を起こして葉が黄化する形質転換体が得られた。この結果より、植物個体レベルでの細胞死誘導実験系を確立した。
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