2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14770365
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
森澤 豊 高知医科大学, 医学部, 助手 (70315018)
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Keywords | ミルクアレルギー / 耐性獲得 / バイオアッセイ / 加熱処理 / 酵素処理 / 臍帯血培養 / 好塩基球 / ヒスタミン遊離率 |
Research Abstract |
対象:牛乳抗原摂取30分以内に発疹・蕁麻疹・呼吸器症状などの即時型反応を発症する患者血清を用いて検討を行った。 臍帯血培養好塩基球の作成:インフォームドコンセントを行い獲得した臍帯血から単核球を分離しIL-3を添加して4週間培養し、培養好塩基球を獲得した。 患者血清の受動感作:培養好塩基球に患者血清を10%濃度で添加して2時間培養して受動感作を行った 抗原処理:αS1Caseinとβ-lactoglobulinを生の抗原、100℃の加熱処理を加えたもの、加熱後pepsin処理を加えた抗原を作成した。SDA-PAGEを用いてα S1Cascinは加熱によるペプチドの断片化しないことを確認した。β-lactoglobulinは加熱により断片化、酵素処理ではα S1Caseinとβ-lactoglobulinともにペプチドの断片化をきたした。 抗原負荷:患者血清で受動感作した培養好塩基球に未処理、加熱処理、加熱に酵素処理を加えたα S1Caseinとβ-lactoglobulinを負荷しヒスタミン遊離率(HTR)をRIA法で測定し、個々の患者血清の反応性を比較検討した。 結果:β-lactoglobulinでは加熱処理を加えたのみで7人中4人でHTRの著明な低下を確認できた。一方α S1Caseinでは6人全例でHTRの低下は認めなかった。酵素処理を加えた場合、β-lactoglobulinでは7例中6例が、α S1Caseinでは6例中4例で低下していたが、加熱や酵素処理を加えてもHTRの低下を認めない例も存在した。 考察とまとめ:以上の結果から、個々の牛乳アレルギー患者IgEの認識する抗原エピトープには個人差が存在し、生の抗原に対しては強い抗原性示すケースでも患者は熱処理で、ある患者は酵素処理により抗原性の低下を認めることがin vitroの実験で確認することができた。
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