2002 Fiscal Year Annual Research Report
博物館の機能及びその効果的な運営の在り方に関する実証的研究
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14800003
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
斎藤 靖二 独立行政法人 国立科学博物館, 地学研究部, 部長 (00000133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉武 弘喜 九州産業大学, 芸術学部, 教授 (50291951)
濱田 隆士 放送大学, 教授 (60012366)
椎 廣行 独立行政法人 国立科学博物館, 教育部, 部長 (00235483)
飯田 浩之 筑波大学, 教育学系, 助教授 (40159562)
鈴木 眞理 東京大学, 教育学研究科, 助教授 (60114518)
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Keywords | 博物館学 / 博物館経営論 / ミュージアム・マネージメント |
Research Abstract |
望ましい博物館運営(ミュージアム・マネージメント)のためには、(1)オペレーション(日常業務の遂行)と(2)マネージメント(管理)のほかに、(3)ガバナンス(統治)という概念が必要であり、これら三者の有機的な連携を図る必要がある。 今年度は、アメリカを中心として、理論および実践面に関する調査を行った。研究分担者による全体会合では、現地で公共経済学の研究を行っている研究協力者や、すでに各種評価手法についての調査を進めている(財)日本博物館協会の担当者らと情報交換を行い、それらの情報をふまえてアメリカと日本の博物館および関連施設での調査計画を立案した。アメリカの東部地区(ワシントンDC、ボルチモア、ニューヨーク)では、全米規模の協会等が各地の博物館運営をいかにサポートしているのか、また、科学系博物館におけるマネージメントやガバナンスの在り方について、情報収集に努めた。中部・西部地区(セントルイス、ミネアポリス、ロサンゼルス)では、各種博物館の運営体制や評価手法の比較、地域社会との関係などについて調査を行った。このほか、ミュージアム・マネージメントに関する国内外の文献について目録化の準備を進めると同時に、博物館専門職員や管理部門職員の養成や資質向上のための研修等の機会について予備調査を行った。 今年度の調査研究を通して、アメリカの博物館では、(1)ストラテジック・プラン(戦略的計画)が明確で、(2)来館者の視点からの評価が継続的に実施され、(3)調査結果が博物館運営の改善のために効果的に活用されていることがわかった。日本では、そもそもガバナンスに関する情報が乏しく、関係者へのサポート態勢も整っていない。日本の博物館の諸機能が効果的に活用されるよう、さらなる調査研究が必要である。
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