2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15030239
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
和田 明 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (80025387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 秀司 大阪医科大学, 医学部, 助手 (60288735)
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Keywords | リボソーム / 100Sリボソーム / ribosome modulation factor / 定常期 / ケミカルフットプリント法 / PTase center / peptide exit tunnel / cryo電子顕微鏡 |
Research Abstract |
今年度初めに、木村能章氏がcryo電顕使用不能のため研究分担者を退いた。代わって上田雅美さんが研究支援者として加わり、新たな三人のグループで研究を続けた。 1.100Sリボソームの三次元構造解析 京大理の藤吉好則教授の協力を得て、電顕による100Sリボソームの三次元構造を解析した。通常のネガテイブ染色で100Sの像を集め、それを統計的に処理することによって、二個の70Sリボソームが二回回転対称的に30Sを結合し合って,100Sを形成していることがわかった。これはかつて低イオン強度下で人為的に形成される100SをJ.Lakeが観察した結果とよく似ていた。次いで、より詳細に100S構造を解析するため、cryo電顕に取り掛かったが、その試料作成が予想を超えて困難で、試料を急冷する過程で100Sが70Sに解離してしまい、纏まった像を得ることが出来なかった。安定な100Sを多く含む試料の作成が今後の課題として残った。 2.RMF(ribosome modulation factor)の23SrRNA上の位置決定 信州大繊維の内海利男助教授の協力を得て、ケミカルフットプリント法でRMFの23SrRNA上の位置決定を行った。DMS修飾をRMF結合で阻害した結果、9個の塩基が影響を受けたが、その大部分、7個がPTase centerとpeptide exit tunnelの入り口付近に集中していた。しかもPTaseの活性中心と考えられている塩基2451Aがこの中に含まれていた。この結果は先に行ったRMFとリボソーム蛋白の架橋実験の結果ともよく一致しており、RMFがPTase centerないしはその近傍に結合することによって翻訳活性を休止させるとともに、100Sを形成することを強く示唆している。 3.定常期特異的蛋白質の発現調節と作用機作の遺伝子解析 定常期特異的にリボソームに結合する蛋白質のうちYFIAとYHBHに重点を置き、その欠損株の解析を始めた。実験はまだ途中の段階であり、次年度にまとめて報告する。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Manabu Sato, Hideji Yoshida, Akira Wada, Yasufumi Kaneda et al.: "Ribosomal protein S0 and S21 are involved in the stability of 18S rRNA in fission yeast, Schizosaccharomyces pombe"B.B.R.C.. 311-4. 942-947 (2003)
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[Publications] Hideji Yoshida, Hiroshi Yamamoto, Toshio Uchiumi, Akira Wada: "RMF inactivates ribosome by covering the PTase center and entrance of peptide exit tunnel"Genes to Cells. 9-4. 271-278 (2004)
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[Publications] Nobuko Arisue, Hideji Yoshida, Akira Wada, Tetsuo Hasimoto: "Comparative analysis of the ribosomal components of the hydrogenosome-containing protisit, Trichomonas vaginalis"J.Mol.Evol.. (in press). (2004)
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[Publications] 和田 明, 吉田秀司, 牧 泰史, 前田真希, 和田千恵子: "ゲノミクス・プロテオミクスの新展開〜生物情報の解析と応用〜"プロテオミクスの新しいツールとしてのRFHR二次元電気泳動法〜大腸菌への適用. 1282 (2004)
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[Publications] 和田 明: "生物工学ハンドブック"蛋白質の二次元電気泳動法. 850 (2004)