2004 Fiscal Year Annual Research Report
RNA結合タンパク質(snRNP)複合体を形成するSMNの生物学的機能の解明
Project/Area Number |
15030243
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
竹森 利忠 国立感染症研究所, 免疫部, 部長 (60114295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加地 友弘 国立感染症研究所, 免疫部, 研究員 (70370963)
高橋 宜聖 国立感染症研究所, 免疫部, 主任研究官 (60311403)
橋本 修一 国立感染症研究所, 免疫部, 研究員 (60342896)
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Keywords | SMA / SMN / snRNP / AIF / FAD結合領域 |
Research Abstract |
SMN蛋白質はRNA結合蛋白(snRNP)複合体を構成し、代謝の転写後の機能を調節する可能性が推察されている。SMN遺伝子の欠損により、重篤な神経原性の筋萎縮症(Spinal Muscular Atrophy : SMA)が発症し、重症型では四肢および体幹筋萎縮および重篤な感染症を伴い生後2歳以内に死亡する。SMA患者あるいはSMAモデルマウスにおいて脊髄の運動神経細胞(脊髄前核細胞)の変性が観察されているが、生体でのSMNの機能とSMAの発症機序は不明である。我々はSMNが記憶B細胞に発現増強することを明らかにした。さらに、SMNの発現の低いB細胞株にSMNを強発現させると、試験管内での抗IgM刺激やFcS除去などで誘導される細胞死に対して抵抗性が賦与され、SMNが細胞の生存維持に関与する可能性が示唆された。またSMNによるsnRNP複合体の形成に必要なexon7をB細胞で特異的に欠失するマウスを用い、B細胞におけるSMNの機能を解析した。この結果、SMNexon7欠損では胚中心B細胞、記憶B細胞の産生が強く抑制されることが明らかにされた。この作用起点を明らかにする目的で、活性B細胞、抗体産生細胞でのSMN結合蛋白質を同定しその結合部位を特定した。この結果、SMNはB細胞においてsnRNP複合体の形成の他にDNA polymerase δ, hsnRNP U, AKAP95, AIFが結合することを明らかにした。AIFの強発現はH_2O_2依存性アポトーシスへの抵抗性に賦与するが、SMNの結合に必要となるFAD結合領域を欠いた変異体はこの機能を消失することを明らかにした。
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