2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15069207
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
伊永 隆史 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (30124788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 豊英 岐阜大学, 工学部, 教授 (40135322)
尾張 真則 東京大学, 環境安全研究センター, 教授 (70160950)
内山 一美 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (40151899)
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Keywords | 環境科学 / 環境安全学 / マイクロチップ / 環境負荷低減 / ダウンサイジング / 化学実験 / 実験設備 / 環境教育 |
Research Abstract |
化学実験に用いる器具・装置類のダウンサイジングを行う。マイクロチップ上に化学操作を集積化することにより、試薬量、試料量、エネルギー消費量等を大幅に減少させることができ、化学物質による曝露リスクや環境負荷を削減可能できる。 (1)大学レベルでの教育活動で行われている主として有機合成実験については、0.1mL規模の使用溶液量を想定した化学実験操作法を開発し、広く研究活動における化学実験に普及可能な器具・装置類を実現することを目指す研究を行うことにより、環境負荷最小化を達成する。 (2)実験教材の使用では、データ収集のための実験器材を用意する。仕組みが理解できるよう機能別にブロック化し、自由に組み合わせて実験ができるようにする。自作の楽しみは学生のやる気を引き出し、器材の仕組みの理解は分子学習効果により一層の広がりを持たせることになる。 化学実験に用いるHPLCでは、移動相として有機溶媒や各種緩衝溶液を毎分1mL程度の流量で連続的に分離カラムに送液する。1台のHPLCを8時間運転するとおおよそ500mLの移動相溶液を消費する。HPLCでは、有機溶媒としてアセトニトリルやメタノールを使用することが多く、送液用ポンプが一部開放系で運転されることから送液時や調製時に実験者が有機溶媒に曝露されるリスクが高い。さらに実験廃液として1台につき1日0.5kg程度が生じることになり、稼働台数を考えると環境への負荷は膨大な量となる。化学実験でHPLCを実施している大学は多く、かつ研究室は無数にある。有機溶媒の曝露に対するリスクや環境への有機溶媒の負荷を考えると、分離カラムのダウンサイジングが対策として有望である。μLオーダーの移動相で実施できるようなマイクロLC送液ポンプがあれば、マイクロLCは流量が1〜10μL/minで稼働できるので通常の1/100〜1/1000の溶媒使用量となることを認めた。
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[Publications] 伊永 隆史: "学術研究が産学連携ニーズから始まり社会還元の出口へ向かうとき"学術月報. 57・1. 44-48 (2004)
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[Publications] 伊永 隆史: "マイクロTAS接続に適したマイクロ質量分析装置の開発"日本農芸化学会誌. 77・9. 876-879 (2003)
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[Publications] M.Kumemura, T.Korenaga: "Droplets Formation from Microfluidic Device for Sampling and Measurement of Atmospheric Nitrogen Dioxide"Analyst. (印刷中).
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[Publications] T.Korenaga et al.: "Convenient Synthesis and Evaluation of Glycosidase Inhibitory Activity of α- and β- Galactose- Type Valienamines, and Some N- Alkyl Derivatives"Biomedical Chromatography. (印刷中).
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[Publications] T.Korenaga et al.: "Convenient synthesis of (+)- valiolamine and (-)- 1- epi- valiolamine from (-)- vibo- quercitol"Organic and Biomolecular Chemistry. 2. 1-7 (2004)
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[Publications] M.Helaleh, S.Ngudiwaluyo, T.Korenaga, K.Tanaka: "Development of Passive Sampler Technique for Ozone Monitoring. Estimation of Indoor and Outdoor Ozone Concentration"Talanta. 58. 649-659 (2002)
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[Publications] 伊永 隆史: "マイクロ化学プロセスに適したマイクロ質量分析システム ナノバイオテクノロジーの最前線"シーエムシー出版. 439 (2003)