2004 Fiscal Year Annual Research Report
磁場印加プロセスによる有機・無機複合ナノ粒子の創製と機能性ナノ素子の開発
Project/Area Number |
15085203
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
森田 浩 千葉大学, 工学部, 教授 (10092355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米村 弘明 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (40220769)
稲場 秀明 千葉大学, 教育学部, 教授 (70023306)
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Keywords | ナノ材料 / マイクロ・ナノデバイス / ナノチューブ・フラーレン / 磁場配向 / 超微粒子 / 光電流 / 水 / 熱分析 |
Research Abstract |
研究課題を遂行するため次の3つの研究テーマを設定し分担した。 研究テーマ1:強磁場とレーザーによる有機・金属複合ナノ粒子の作製(森田) 研究テーマ2:磁場印加プロセスによる新規光機能ナノ素子の創製(米村) 研究テーマ3:強磁場下における反磁性および常磁性物質の精密物性測定(稲場) 研究テーマ1では有機ケイ素化合物と鉄ペンタカルボニルとの混合気体試料に水銀灯(313nm)光を照射するとケイ素化合物を含んだ薄膜が作製できるが、3Tの外部磁場を印加すると反応初期に微粒子のみが形成できることを発見し、強磁場により生成物の形態を制御することができた。また、鉄ペンタカルボニルとコバルトトリカルボニルニトロシルの混合気体からは光照射により超微粒子(粒径100〜150nm)と有機鉄化合物を主成分とする結晶状物質(大きさ8〜16μm)を作製することができたが、1〜5Tの磁場を印加すると結晶状の生成物の沈積方向が磁場の方向に揃うことが観測され、形状依存性による磁場配向を利用して沈積物を配向させることができた。 研究テーマ2では約100nmのナノクラスターを形成している正電荷を持つフラーレン誘導体(C_<60>N^+)をメチルフェノチアジン(MePH)と共にクラスター化させ、その溶液の過渡吸収スペクトルを測定した結果、PHラジカルの減衰および散逸ラジカル収量が磁場の増加に伴って増加し、クラスター系の磁場効果が約100nmのC_<60>ナノクラスターの反応場によって発現していることを明らかにした。また、C_<60>ナノクラスターを金基板に固定して修飾電極を作製し、磁場を印加しながら修飾電極の光電流を測定した結果、磁場強度と共に光電流が増加することを見出した。 研究テーマ3では自製した高感度DSC装置で反磁性物質である水の融点に及ぼす磁場効果の同位体効果を測定した結果、拡張Clapeyron式の理論値よりも2〜3桁程度大きいことを見出し、また、有機分子の融点が磁場の印加で数mK上昇することを見出した。
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