2005 Fiscal Year Annual Research Report
磁場印加プロセスによる有機・無機複合ナノ粒子の創製と機能性ナノ素子の開発
Project/Area Number |
15085203
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
森田 浩 千葉大学, 工学部, 教授 (10092355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米村 弘明 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (40220769)
稲場 秀明 千葉大学, 教育学部, 教授 (70023306)
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Keywords | ナノ材料 / マイクロ・ナノデバイス / 磁場配向 / ナノチューブ / 光物性 |
Research Abstract |
新規な有機・無機複合ナノ粒子を(1)気相光化学反応を利用した気相ナノ粒子作成法(研究テーマ1)と(2)フラーレン誘導体と電子ドナーを連結した化合物を合成し、そのナノ凝集体から有機無機ハイブリッド構造を形成させる方法(研究テーマ2)で作製した。研究テーマ1では、有機金属カルボニル化合物と二硫化炭素(CS_2)の混合気体に光照射すると有機金属化合物を含んだ超微粒子が効率良く気相中で作製でき、(1)磁場下で反応させるとFe成分が増加するのに対しCo成分が減少し磁場により超微粒子中の化学組成が制御できること、(2)有機ケイ素化合物(トリメチルシリルアセチレン)と鉄ペンタカルボニル(Fe(CO)_5)の混合気体の光化学反応ではケイ素化合物の反応性が磁場により大きく変化し、磁場を印加すると反応生成物が薄膜から微粒子へと変化することを明らかにし、また、(3)アリルトリメチルシラン(ATMeSi)とCS_2とFe(CO)_5の三成分系では生成物の状態はATMeSiとCS_2の分圧に大きく依存し、ATMeSiを多くすると生成した微粒子が融着し始め膜状物質へと変化していき、適度な分圧比を持った混合気体試料からは微粒子が互いに結合した生成物を得ることができた。研究テーマ2では,(4)正電荷を持つフラーレン誘導体(C_<60>N^+)クラスターとフェノチアジン(PH)系の溶液中における光誘起電子移動反応において磁場効果を観測し、その磁場効果が約100nmのC_<60>ナノクラスターの反応場によって発現していることを明らかにし、(5)C_<60>N^+-PHナノクラスターを固定した修飾電極の光電流が磁場強度と共に増加することを見出した。また、(6)無機化合物ナノ構造をもつ希薄磁性半導体(Zn_<1-x>Mn_xS)固定化薄膜の発光特性(偏光度)が磁場の印加で大きくなること、(7)導電性ポリマーでラッピングした単層カーボンナノチューブ(SWNT)が8Tの磁場下でマイカやガラス基板上で磁場配向し、さらに15Tの強磁場下でSWNTが組織化しナノ構造体となることを見いだした。
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