Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 聡 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (90221936)
服部 高子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00228488)
西田 崇 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (30322233)
青山 絵理子 岡山大学, 歯学部, 教務員 (10432650)
山本 照子 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00127250)
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Research Abstract |
・ヒト骨髄間葉系幹細胞のハイドロキシアパタイト(HA)への接着をCTGF/CCN2が促進することを明らかにし,また,その作用がCTモジュールにあることを見出した。すなわち,HAとCCN2,特にそのCTフラグメントのコンビネーションによる硬組織再生の実用化の可能性を示した。 ・CTGF/CCN2の受容体の一つと考えられているLRP1が軟骨細胞に存在し,細胞表面だけでなく,リソソーム,リサイクリングエンドゾームや核にCTGFと共局在することを見出した。即ち,LRP1と結合したCTGFが一部リサクリングされたり,また,核内に情報を伝達する可能性を示した。 ・CTGF/CCN2の軟骨細胞内情報伝達機構としてp38MAPKとERKの上流にPKCが存在することを新たに見出した。また,増殖にはJNKを介する経路が存在すること,さらに,石灰化促進作用は,PI3Kとそれに続くPKBが仲介することを明らかにした。 ・CTGF/CCN2および4つの各モジュールは血管内皮細胞の接着を促進したが,IGFBPモジュールはその作用は弱かった。また,VWC,TSPおよびCTモジュールは血管内皮細胞においてERKのシグナル経路を活性化するがIGFBPモジュールはその作用は弱かった。一方,軟骨細胞において,IGFBPはJNKを活性化し,この活性化は増殖促進作用と密接に関連していた。軟骨細胞のプロテオグリカン合成はいずれのモジュールでも促進され,その程度はERK1/2の活性化と関連していた。なお,全長CTGFで活性化されるP38MAPKは単一モジュールでは活性化されなかった。これらのことから,目的に応じてモジュールを使い分けることにより,種々の組織の再生に応用できる可能性が示唆された。 ・ヒト軟骨細胞様細胞株と乳がん細胞株ではCTGF/CCN2が高発現しているが,その原因となる転写調節機構には違いがあることがわかった。
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