2003 Fiscal Year Annual Research Report
干潟域の低次生産過程における親生物元素循環の定量化と生態系モデルの構築
Project/Area Number |
15201001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
門谷 茂 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (30136288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 哲雄 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (70036490)
多田 邦尚 香川大学, 農学部, 教授 (80207042)
工藤 勲 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (00195455)
堤 裕昭 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (50197737)
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Keywords | 干潟 / 親生物元素 / クロロフィルa / 底生珪藻 / 二枚貝 / 安定同位体比 / 沈降粒子 / 堆積物 |
Research Abstract |
3ケ所の研究フィールドともに、毎月1回以上の定期観測を実施することができた。北海道東部・瀬戸内海・有明海とも、水柱に存在するクロロフィルa現存量に比べて、堆積物表層で得られるクロロフィルa現存量の方が1〜2桁大きく、干潟域の底生生物群集の生物生産を支えているのが、底生珪藻などの底生微細藻類であることが、明らかとなった。3ケ所それぞれの定点における24〜36時間の連続観測の結果より、干潮時前後の潮位が低く、流速が速くなる時間帯に表層堆積物のかなりの部分が再懸濁して、底層水中のクロロフィルa濃度を著しく高めることを見出した。多くの部分は、現地の大型底生懸濁物含者によって消費されると考えられるが、一部は、潮流により潮下帯などに運ばれ、近接する海域の生物生産も支えていることが推察された。 また、各態粒子中(懸濁物・沈降粒子・堆積物)の、安定同位体比を測定したところ、δ^<13>C値が-14〜-16程度であることから、干潟上の有機物の主要力起源は、底生珪藻であることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Montani, S., Magni P., Abe N.: "Seasonal and interannual patterns of intertidal mierophytobenthos in combination with laboratory and areal production eqtinates"Marine Ecology Progress Series. 249. 79-91 (2003)
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[Publications] Yamaguchi H., Montani S., Tsutsumi H., Hamada K., Ueda N.: "Estimation of particulate organic carbon flux with relation to photosynthetic production in a shallow coastal area"Marine Pollution Bulletin. 47. 18-24 (2003)
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[Publications] 堤 裕昭, 岡村絵美子, 小川満代, 高橋 徹, 山口一岩, 門谷 茂: "有明海奥部海域における近年の貧酵素水塊と赤潮の発生と海洋構造に関する研究"海の研究. 12. 1-15 (2003)
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[Publications] Kudo, I.: "Change in the SiiN ratio in diatoms responding to the ambient ratio growth phase"Marine Biology. 143. 39-46 (2003)
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[Publications] Yanagi T.: "High food productivity in tidal flat"Reports of Research Institute for Applied Mechanics, Kyushu University. 124. 25-28 (2003)