2005 Fiscal Year Annual Research Report
統計物理学の視点から見た新しい金融と経済の理論を構築するための基礎研究
Project/Area Number |
15201038
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
海蔵寺 大成 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (10265960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 秀明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40202501)
田中 美栄子 鳥取大学, 工学部・知能情報工学科, 教授 (20257570)
増川 純一 福山平成大学, 経営学部, 教授 (30199690)
小野崎 保 青森公立大学, 経営経済学部, 教授 (10233595)
藤坂 博一 京都大学, 大学院・情報学研究科, 教授 (40156849)
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Keywords | 社会工学 / 社会システム / 政策科学 / 経営工学 / 経営システム / インダストリアルエンジニア / モデリング / ファイナンス |
Research Abstract |
資産価格に関する統計的性質に関する研究:(1)株式市場の価格形成をミクロなレベル(Order flow)で記述する確率モデルを提案し、投資家(あるいは証券会社などのブローカー)が過去の注文状況を模倣する指値注文(Limit order)を出す傾向を持てば、価格変動分布の裾野のベキ乗則が説明できることを、モデルのシミュレーションにより示した。 (2)資産分布に焦点を当てて少数派ゲームの標準モデル(SMG)に改変を加える試みをいくつか検討し(RMG,IMG),TMGを提案した.これにより,SMGにあったエージェント間の資産分布の不自然さがTMGにおいては解消され,Gini係数がG=0.4〜0.5,パレート指数も=1.8程度となって観測値を再現した. (3)前年度に発見したバブルの発生と崩壊のメカニズムをもとに、投機的バブルの崩壊の予兆を示すインディケーターを提案した。また、日本企業の財務データを用いて、地価や株価の変動が、企業の自己資本の変化に与える影響を分析し、企業経営リスクの指標を提案した。 個人所得に関する研究:日本の高額納税者の空間分布の統計的性質を前年度に続いて分析し、高級住宅街の形成のモデルを提案した。 これらの研究成果は、下記の国際会議ほか、多くも学会、会議、セミナー等で報告された。 Econophysics Colloquium 05, the National Australian University, Canberra, Australia, November 14-18, 2005.
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Research Products
(7 results)