2004 Fiscal Year Annual Research Report
情報ネットワーク社会における個人の利益・価値相互間の調整と不法行為法の役割
Project/Area Number |
15203003
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
安永 正昭 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (70025154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯村 保 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00030635)
山田 誠一 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (60134433)
齋藤 彰 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (80205632)
山本 顕治 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (50222378)
窪田 充見 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (60186450)
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Keywords | 情報ネットワーク / パブリシティ権 / 不法行為法 / 著作権 / 名誉毀損 / インターネット / 電子メール / 差し止め |
Research Abstract |
(1)平成16年度も、昨年度に引き続き、研究分担者(代表者を含めて12名)のそれぞれの問題関心に従い、課題の研究を深めた。 (2)本研究課題にかかわる研究会を5回、神戸大学にて開催した。研究分担者の研究会の報告課題は以下のとおりである。 電子掲示板の書込みによる名誉毀損と管理運営者の責任(安永) インターネット・オークション取引をめぐって(磯村) 知的環境の視点からみた著作権〜Lessigの法制度改革についての提言(齋藤) 損害賠償と差し止め(山田) E-Healthの法的諸問題(手嶋)、迷惑メールをめぐる法的諸問題(同) 民事不法行為法における財産的損害と非財産的損害の交錯(窪田) パブリシティの人格権による保護(島並) いわゆる「パブリシティの権利」の法的性質-不正競争防止法の観点から(井上) スパイウェアとその法的問題(岡本)。 (3)研究分担者の岡本が、アメリカ法の調査のため、海外出張を行った。 (4)研究課題に関連する文献・資料を、昨年度に引き続き、継続して収集した。 (5)本研究の研究計画において将来発生すると予測されていた問題群が、現実に起こる事態が生じるようになってきている。また、まだわが国では十分、社会的に問題が認知されていないものについても、諸外国ではすでに問題が指摘されているものが少なからずある。本研究では、このような時代と同時並行的に発生する問題群について、問題の抽出を行い、また、その的確な処理のあり方について、研究会で議論を行った。その際、ネットワークが出現する前の社会的枠組みで構築された法概念や理論が、必ずしも妥当しない場面が多々あることが明らかにされた。 (6)平成17年度は、本年度の研究成果を組み入れつつ、なお検討が不十分な問題にアンテナを広げ、ネットワーク社会における価値相互間の調整についての不法行為法の役割全般に関して、検討を続ける予定である。
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