2004 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄物をめぐる人間行動と制度-環境問題解決の数理・計量社会学-
Project/Area Number |
15203021
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
海野 道郎 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (90016676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 計二 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (00198714)
小松 洋 松山大学, 人文学部, 教授 (60241501)
土場 学 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教授 (50253521)
阿部 晃士 岩手県立大学, 総合政策学部, 助教授 (50305314)
篠木 幹子 岩手県立大学, 総合政策学部, 専任講師
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Keywords | 廃棄物問題 / ごみ問題 / 社会制度 / 人間行動 / 地域 / 規範 / 態度と行動 / 多水準分析 |
Research Abstract |
本年度は、(1)廃棄物問題を社会的ジレンマ論へと接合し、モデルを作成するための議論、(2)調査地点選定のためのさらなる質的調査、(3)調査地点選定のためのマクロ分析、(4)予備調査票の作成、(5)予備調査の実施、(6)予備調査のデータ分析を行った。本研究の中心的な目的は、「廃棄物問題(特に家庭ごみの問題)を題材に、社会調査を基礎とした社会的ジレンマ研究法の模範型(モデル)を確立することにあるが、これまでの議論から、「客観的には」社会的ジレンマ構造を有しでいるごみ問題を人々はどのように認知しているのか、を把握する必要があることが示された。また、日本全国の各自治体のごみ分別制度を概観し、ごみ分別制度は、「機械的」分別制度と「手動的」分別制度に2分できることが明らかになった。これらの特徴を踏まえ、「機械的」分別制度の代表として仙台市、「手動的」分別制度の代表として、名古屋市と水俣市を本調査地点として選定することに決定した。また、調査対象者に関する議論を行い、ごみ排出行動においては世帯という単位を重視する必要があることを示し、以後の調査では、調査対象者は「世帯の家事担当者」とすることになった。さらに、本調査に向けて、仙台市において予備調査を実施し、分別の実施度や人々の規範意識、有効性感覚、有料化に対する態度などを把握した。予備調査票は、これまでの調査において実施した項目を継続して調査票に取り入れ、時系列的に態度や行動の変化を見ることができるようにすると同時に、上記の研究目的を達成するための新たな項目を導入している。
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Research Products
(1 results)