2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15203026
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
坂元 章 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (00205759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箕浦 康子 お茶の水女子大学, 開発途上国女子教育協力センター, 客員教授 (20135924)
菅原 ますみ お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (20211302)
鈴木 佳苗 筑波大学, 図書館情報メディア研究科, 講師 (60334570)
内藤 まゆみ 日本学術振興会, 特別研究員
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Keywords | テレビ番組 / 暴力描写 / 向社会的描写 / 内容分析 / 縦断調査 / 小学生 / 中学生 |
Research Abstract |
本研究では、米国テレビ暴力研究(National Television Violence Study,以下NTVS)を踏まえて、平成15年度からの4年間に、日本のテレビ番組の内容分析研究と縦断調査研究を行う。平成16年度は、暴力描写だけでなく、向社会的描写も内容分析に含め、暴力描写のコードを参考に向社会的描写のコードを作成した。 暴力描写、向社会的描写ともに、分析単位はNTVSと同様、(1)行為、(2)場面、(3)番組全体の3つのレベルを採用した。評定は、コード化の研修を受けた大学生が行った。その結果、日本のフィクション番組(ドラマ,バラエティ,アニメ等)の暴力描写には、(1)行為の理由では「怒り」が多い、行為の手段では「身体的暴力」が多い、(2)行為の結果、報酬や罰が与えられることは少ない、(3)反暴力的なメッセージを伝える番組は少ないといった特徴が見られた。日本のフィクション番組の向社会的描写には、(1)行為の理由では「対象への好意・愛情」が多い、行為の手段では「身体的暴力」が多い、行為の成功が描かれることが多い、(2)行為の結果、報酬や罰が与えられることは少ない、(3)向社会的なテーマを強調する番組は少ないといった特徴が見られた。リアリティ番組(ニュース番組等)では、(1)暴力行為の理由として「個人的利益」、向社会的行為の理由として「共感」が多いなど、フィクション番組との違いが見られた一方で、(2)行為の結果として報酬や罰が少ないといった共通の結果も示された。また、(3)番組では、行為者に対するコメントはほとんど見られなかった。 縦断調査に関しては、平成16年度には、暴力性、向社会性に関する児童用尺度の検討・作成を行った上で、小学校17校、中学校18校に質問紙調査を実施した。小・中学生のテレビ視聴が暴力性・向社会性に及ぼす影響については、平成17年度に検討を行う。
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Research Products
(1 results)