2003 Fiscal Year Annual Research Report
植物遺体細胞壁成分の地球環境循環-化石資源生成機構-
Project/Area Number |
15208031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯山 賢治 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 教授 (60012077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福代 康夫 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 教授 (10165318)
恒川 篤史 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60227452)
宝月 岱造 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10107170)
堀 啓映子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40322044)
小島 克己 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助教授 (80211895)
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Keywords | 化石燃料 / 地球温暖化 / IPCC(気候変動に関する政府間パネル) / 植物遺体の生分解 / リグニン / 亜臨界条件 / 化石資源(石炭、石油)の生成 / 溶存有機物 |
Research Abstract |
熱帯湿地帯(インドネシア・カリマンタン島南部、タイ南部及びベトナム・メコンデルタ)の湖沼水、そこから流出する河川及び海洋中から試料水および湖沼、河川及び海底堆積物を採取し、有機物の単離及び分析を実施した。採取した海水はアシラーザー(旭化成:電気透析装置)を用いた。採取地点についてはアジア生物資源環境研究センターで収集しているGPS及び航空写真等の情報に基づいて、現地調査を行い設定した。 1.熱帯アジア地域の森林域及び湿地、さらに東京大学附属演習林(樹芸研究所内)の土壌を採取し、有機物の単離及び分析を開始した。とくに土壌有機物の有効な分離法について検討した。 2.土壌有機物、河川水中の溶存及び懸濁物質に付着する有機物について、植生環境及び流域環境におけるその動態を解析した。本研究においてはオンサイトで可能な事項は、所有する携帯型分析装置で行うとともに、試料を持ち帰って詳細に検討した。 3.河川水及び海水については、溶存有機物だけでな<溶存有機物の凝集機構を検討するため、溶存重金属の分析を行うために、本研究で導入する土壌中元素分析システム(ICP発光分析装置)を用いて検討を行っている。 4.熱帯アジア地域の森林域及び湿地から得られた泥炭からリグニンを単離し、その構造の解析を進めると共に、そのリグニンを用いて超臨界条件下での反応を開始した。 あわせて中国東北部に1億haにわたってひろがる強アルカリ土壌地帯、および中国寧夏回教自治区の塩類集積土壌、砂漠地帯での土壌有機物の蓄積状況、投入された植物遺体による砂質及びシルト土壌の団粒化についても検討した。
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[Publications] Lam, T.B.T., Hori, K., Iiyama, K.: "Structural characteristics of cell walls composition of kenaf (Hibiscus cannabinus L.) and fixation of carbon dioxide."J.Wood Sci.. 49. 255-261 (2003)
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[Publications] Chung, B.Y., Iiyama, K.: "Differences in chemical constituents between vascular bundles and nonvascular bundles of cacao (Theobroma cacao L.) hulls"J.Wood Sci.. 49. 176-180 (2003)
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[Publications] Iiyama, K.: "Biological resources in village life.""Satoyama. The Traditional Rural Landscape of Japan". (Takeuchi, K., Brown, R.D., Washitani, I., Tsunekawa, A. and Yokohari, M.eds.). Springer, Tokyo. 149-172 (2003)
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[Publications] Chung, B.Y., Iiyama, K., Han, K.W.: "Compositional characterization of cacao (Theobroma cacao L.) hull."Agrio.Chem.Biotechnol. 46. 12-16 (2003)
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[Publications] Lam, T.B.T., Iiyama, K., Stone, B.A.: "Hot alkali-labile linkages in the walls of the forage grass Phalaris aquatica and Lolium perenne and their relation to in vitro wall digestibility."Phytochemistry. 64. 603-607 (2003)
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[Publications] Jin, Z., Akiyama, T., Chung, B.Y., Matsumoto, Y., Iiyama, K., Watanabe, S.: "Changes in lignin content of leaf litters during mulching."Phytochemistry. 64. 1023-1031 (2003)
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[Publications] 飯山賢治: "未利用資源の再発見"科学. 73. 789-790 (2003)