2005 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクスを応用した細胞表層におけるプロテオリシスの網羅的標的解析
Project/Area Number |
15209011
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
清木 元治 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10154634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梁 幾勇 東京大学, 医科学研究所, 講師 (70332583)
泉 友則 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員(常勤形態) (00261694)
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Keywords | 膜型MMP / インテグリン / 膜蛋白質 / 網羅的プロテオミクス解析 |
Research Abstract |
これまでに、ヒト線維芽肉腫細胞種株HT1080を用いて、FLAG標識をしたMT1-MMPを発現させ、複合体を単離する条件を決定し、含まれる蛋白質成分の網羅的プロテオミクス解析した。その結果、MT1-MMPと直接結合する分子および間接的に近接した位置に存在する分子をリストアップできることを示した。今年度はヒト上皮由来A431がん細胞株を用いて、上皮細胞でのMT1-MMP複合体解析を行った。また、同様の解析手法をMT4-MMPと接着分子であるインテグリンβ1に拡大した。 上皮細胞においてMT1-MMPと会合している蛋白質として同定できたのは、分泌蛋白として5種類、膜蛋白として64種類,細胞内蛋白として87種類,また、機能未知の7蛋白質が含まれていた。インテグリンβ1と会合する分子は、膜蛋白として17種類,細胞内蛋白として51種類が同定された。 MT1-MMPに会合する膜蛋白質に着目して基質となる蛋白質の検索を行った。テストにエントリーした候補分子18個中9個がMT1-MMPとの共発現によって切断されることが明らかとなった。MT1-MMPとの関係で特に注目されるIgドメインを持つ接着分子や増殖因子受容体ついての切断に関しては、内在性に発現する分子間での切断活性も確認できた。このことにより、本研究で確立した膜分子複合体解析法がプロテアーゼの基質を網羅的に解析する目的で用いることが可能であることを示した。 現在、会合分子の生理的な関連の解析を個別に進めると同時に、会合分子の物理的な位置関係をクロスリンカーを用いて解析することを進めている。
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Research Products
(6 results)