2003 Fiscal Year Annual Research Report
聴皮質と脳幹聴覚伝導路の聴空間情報処理メカニズムの研究
Project/Area Number |
15209055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加我 君孝 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80082238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石本 晋一 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40292932)
伊藤 健 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50251286)
山岨 達也 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (60251302)
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Keywords | ABR / 方向感 / 聴皮質 / 骨導 / Time-Intensity Trade / ヘルペス脳炎 / 誘発電位 / 髄鞘化 |
Research Abstract |
耳は2つあることで両耳聴が成立する。両耳聴は聴空間情報処理そのものである。(1)両耳干渉電位の研究は、ラットの両耳ABR干渉電位の起源を脳幹の部分破壊を半導体レーザーを用いて行い、これまで上オリーブ核とされていたが下丘にあることを明らかにした。(2)聴皮質における周波数局在性は、64チャンネルの多点電極を用い、ラットの聴皮質の硬膜上記録でも存在することを明らかにした。これは音刺激でも蝸牛神経核の電気刺激でも同様であった。(3)聴覚伝導路の発達と聴空間情報処理についてはマウスを交配し、新生児からABRを記録することで変化を調べたところ初め無反応であるが生後12日目から反応が出現し、24日目に脳幹の髄鞘化は進み、成熟ラットと同様の反応を示すが、高頻度刺激で反応が小さくなることから本質的には髄鞘化は完成していないこと、聴皮質由来と思われる波形がABR成分以降にも出現することが明らかとなった。 ヒトにおける聴空間情報処理の研究は気導および骨導聴覚の別に研究を行った。 Sound Lateralization法を用い、Time-Intensity Tradeを用い、気導では時間差を優先した場合と音圧を優先した場合ではTradeのカーブが異なることを明らかにした。従来存在されないといわれた骨導のSound Latelalizationの存在することを明らかにした。これは先天性小耳症・外耳道閉鎖症のABRの両耳干渉電位が成立することで裏付けられた。従来の骨導レシーバの周波数応答性が悪いことを批判し、新に超磁歪骨導素子を開発し、これによる両耳聴レシーバを作成した結果、Sound Latelarizationは市販されている骨導レシーバに比べ有意に優れていることが明らかになった。患者による研究では、ヘルペス脳炎による両側聴皮質損傷例では、聴空間情報処理が失われることを明らかにした。片側の聴皮質損傷ではMEGによる中間潜時反応は出現しないが従来の電気的誘発電位では出現するためMEGの方が本研究には有効であることがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Arakawa M, Kaga K: "Negamycin restores dystrophin expression in skeletal and caridac muscles of mdx mice."J.Biochem. 134. 751-758 (2003)
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[Publications] Kaga K: "Aplasia of zygomatic arch and dislocation of tempromandibular joint capsule in Treacher-Collins syndrome ; three-dimensional reconstruction of computed tomographic scans."International Journal of Pediatric Otorhinolaryngology. 67. 1189-1194 (2003)
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[Publications] Kaga K: "Auditory agnosia in children after Herpes encephalitis."Acta Otolaryngology. 123. 232-235 (2003)
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[Publications] Sheykholeslami K, Kaga K: "Binaural interaction of bone-conducted auditory brainstem responses in children with congenital atresia of the external auditory canal."International Journal of Pediatric Otorhinolaryngology. 67. 1083-1090 (2003)
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[Publications] Takahashi H, Koga K: "Meciroelectrode array on folding poloyimide ribbon for epidural mapping of functional evoked potentials."IEEE Tras Biomedic Engineer. 50. 510-516 (2003)
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[Publications] Kojima T, Kaga K: "Auditory lexical-semantic processing impairments in aphasic patients reflected in event-related potentials (N400)."Auris Nasus Larynx. 30. 369-378 (2003)