2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本型がん集学的アプローチのためのケア提供システムモデル開発と評価
Project/Area Number |
15209074
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
小松 浩子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (60158300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 和弘 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (50222170)
鈴木 久美 聖路加看護大学, 看護学部, 助教授 (60226503)
射場 典子 聖路加看護大学, 看護学部, 助教授 (00258980)
安保 英勇 東北大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (50250650)
村岡 宏子 東邦大学, 医学部看護学科, 教授 (60258978)
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Keywords | がん集学的アプローチ / ケア提供システム / ケアの質の保証 / ケアの継続性 / 協働 |
Research Abstract |
目的 目的は、複雑・高度化するがん診断・治療の過程において、治療効果の促進とQOLの向上をめざして一貫して良質で効果的な治療・ケアが終結できるような「日本型がん集学的アプローチのためのケア提供システムモデル試案」を開発し、それを臨床適用し評価することである。本年度は、モデル試案作成、現行システムへの導入実現性検討とフィールドにおける実施体制作り等の基盤形成を行った。併せて、モデル試案の実用性・妥当性を評価するためのアウトカム指標を検討した。 方法 (1)モデル考案のための乳がん医療に焦点をあて、全国の乳がん学会認定施設457箇所の医師と看護師、乳がん患者を対象にがん集学的アプローチのための医療システムの現状と課題について調査を行った。(2)分析データおよび文献的考察を基礎資料とし、モデルの構造的・機能的要素を抽出・構造化した。(3)モデル試案を臨床適用するため、都内一般病院のブレストチームの協力を得て、協働ワーキンググループを立ち上げた。人的・物理的資源についてレディネスアセスメントを行いつつモデル試案の洗練を行った。 結果 現行の乳がん集学的アプローチの現状と課題について看護管理者(249施設)、医療者(1652人)、乳がん患者(1950人)より回答を得た。これらの分析結果と文献的考察に基づきモデルの構成内容を抽出した。主要内容は、「継続性、多重性、自律性、相互依存性」という集学的アプローチの機能を基軸とし、(1)患者を中心に治療・ケアの場や部門を越えた連携を円滑にするための患者・医療者情報共有ツール開発、(2)患者情報を統合し判断するための多職種カンファレンス設置、(3)外来におけるKeyナース(意思決定支援および相談機能をもつ)設置となった。モデル試案の臨床導入にあたり、既存の電子カルテシステムとの連動とスタッフィングについて調整を行っている。併せてアウトカム指標を継続して検討を行っている。
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