2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15251012
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
岸上 伸啓 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 助教授 (60214772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 敏明 城西国際大学, 福祉総合学部, 講師 (00265521)
浜口 尚 園田学園女子大学短期大学部, 助教授 (30280093)
松本 博之 奈良女子大学, 文学部, 教授 (70116979)
大島 稔 小樽商科大学, 言語センター, 教授 (00142787)
鹿熊 信一郎 (財)亜熱帯総合研究所, 研究部, 研究主幹
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Keywords | 海洋資源 / 管理 / 流通 / 先住民 / 環太平洋 / 極北地域 |
Research Abstract |
平成16年度には、アラスカにおいて井上敏昭がシロイルカの流通について、手塚薫がサケの流通について、岸上伸啓がカナダ都市先住民の海洋資源の流通について調査を実施した。大島稔と渡部裕(研究協力者)はロシアのカムチャツカ半島において、谷本一之(研究協力者)はマガダン地域においてサケ・マス・イクラなどの流通と管理について調査を実施した。橋村修(研究協力者)は中国福建省においてシイラなど魚類の利用と流通に関する調査を行った。竹川大介はヴァヌアツとフィジーにおいて海洋資源の利用と流通について、松本博之はオーストラリアのトレス海峡地域においてジュゴンやイセエビの流通と管理に関する調査を実施した。鹿熊信一郎はモーリシャスにおいて沿岸水産資源の利用と管理に関して、浜口尚はセント・ヴィンセントおよびグレナディーン諸島国においてコビレゴンドウの流通と管理に関して調査を実施した。これらの調査から、国際市場や地元の市場において需要の高い資源や換金性の高い資源に関しては、資源の保全管理がきわめて困難であることが確認された。そしてもっとも有効性の高い海洋資源の管理形態は、地元民による自主的な資源管理か、国家と地元民とによる共同管理である可能性が指摘された。また、本年度は日本文化人類学会第38回大会において分科会「水産資源の利用と流通」を開催し、岸上、岩崎、竹川、赤嶺、松本がこれまでの研究成果を口頭発表した。また、岸上はアラスカ大学で開催された第5回極北社会科学国際学会においてイヌイットの食物分配について、岩崎はイタリアのベラジオで開催された先住民のフード・システムに関する国際研究集会においてアイヌの食物に関する研究報告を行った。アラスカ大学のモーリー・リー教授を招聘し、アラスカ先住民の海洋資源の利用と管理の実態について情報交換と研究会を実施した。さらに平成18年度の公開を目指して、先住民による海洋資源の流通・管理に関するデータベース作りを進めた。
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Research Products
(16 results)