2003 Fiscal Year Annual Research Report
中国湖沼をモデルとしたバイオ・エコシステム導入アオコ発生防止効果の調査研究
Project/Area Number |
15254003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
稲森 悠平 独立行政法人国立環境研究所, 循環型社会形成推進・廃棄物研究センター, 室長 (10142093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板山 朋聡 独立行政法人国立環境研究所, 循環型社会形成推進, 廃棄物研究センター・研究員 (80353530)
徐 開欽 独立行政法人国立環境研究所, 流域圏環境管理研究プロジェクト, 主任研究員 (20250722)
水落 元之 独立行政法人国立環境研究所, 循環型社会形成推進, 廃棄物研究センター・主任研究員 (50260188)
加藤 善盛 株式会社日水コン, 環境事業部, 主任研究員
岩見 徳雄 独立行政法人国立環境研究所, 循環型社会形成推進, 廃棄物研究センター・研究員 (00353532)
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Keywords | バイオ・エコエンジニアリング / 中国湖沼 / 小規模浄化槽 / 無動力型嫌気性ろ床・土壌トレンチ施設 / 曝気揚水筒 / ミクロキスチン / 富栄養化 / 負荷削減対策 |
Research Abstract |
本研究では中国貴州省の湖沼を中核とし、同時にタイ王国、インド等の湖沼等を比較水域として、バイオ・エコエンジニアリングの導入のアオコ発生防止効果を解析・評価するための調査研究を以下のように行った。貴州省のパイロット施設としてのバイオ・エコエンジニアリングシステムを用いた水域の負荷削減対策の効果を調査した。窒素の効果的な除去が行われたが、高度処理浄化槽については、維持管理として余剰汚泥の引き抜きの適正化のため調整強化が必要なことがわかった。無動力型嫌気性ろ床土壌トレンチ浄化施設については、30m^3/dで運転すると同時に中国政府の補助により処理水の自動モニタリング(CODと流量)を行いテレメーター監視を実施したところ、確実に窒素・リンの削減可能なことがわかった。曝気揚水筒については、運転休止時にはChlaが最大50μg/L程度まで増大するものの、曝気揚水筒の稼働によりダムサイトではChlaを60%抑制できることがわかった。また、無曝気時のChla最大時のMicrocystis aeruginosaの個体数は約20,000N/L、有毒アオコ産成毒性物質ミクロキィスチン濃度は0.17μg/Lまで増大するが、曝気時には著しく減少することがわかった。また、中国湖沼対策を有効に進めるために、タイ王風、インドでの比較調査を行った。タイ王国汽水性の富栄養湖ソンクラー湖では、塩分濃度が海水の1/10以下でM.aeruginosaが、同1/3程度でM.viridisが優占する傾向にあり、種により,塩分の影響の違いがあることがわかった。インドの富栄養湖沼であるボパール湖、フセインサーガル湖、サーガル湖の有毒アオコの発生およびミクロキィスチン濃度の実態調査を行ったところ、インド国内で最も富栄養化が著しいフセインサーガル湖では最大7,300μg/Lに達し極度に毒性の高い湖沼があることがわかった。以上の調査研究により、これらの流域においては、バイオ・エコエンジニアリングを導入することが、負荷削減対策を行う上で極めて重要であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 稲森 悠平: "水環境健全化のための開発途上国の国情に合った処理技術"用水と廃水. 45・10. 46-53 (2003)
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[Publications] 桑原 享史: "タイ王国におけるラグーンシステムの現状と高度化技術の展望"用水と廃水. 45・10. 93-99 (2003)
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[Publications] 林 紀男: "フロート式水耕栽培浄化法の開発途上国への展開"用水と廃水. 45・10. 100-107 (2003)