2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15255007
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
長谷川 政美 統計数理研究所, 予測制御研究系, 教授 (60011657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯浅 浩史 東京農業大学短期大学部, 環境緑地学科, 教授 (10072620)
原 慶明 山形大学, 理学部, 教授 (60111358)
金子 明 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (60169563)
加藤 真 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (80204494)
池谷 和信 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 助教授 (10211723)
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Keywords | マダガスカル / 共生 / 多様性 / テンレック / 原猿類 / バオバブ / 絶対送粉共生 / 系統地理学 |
Research Abstract |
マダガスカル動植物の系統地理学を他の大陸との関連で調べた。マダガスカルのテンレック類と原猿類のキツネザルの起源と進化の歴史を明らかにするため、昨年度に引き続き現地調査を行い、DNA解析用のサンプルを採取した。テンレックに関しては水生適応したLimnogaleを含め、属レベルの代表種はOryzorictes以外全て採取した。また、キツネザル類に関しても、アイアイなどいくつかの種について、ミトコンドリアの全塩基配列を決定し、今年度採取したネズミキツネザルなどについての解析も進行中である。マダガスカルのキツネザルは、アフリカから海を渡ってきた単一の祖先種から進化したと考えられているが、予備的な解析から、他の可能性も検討すべきであることが示唆された。 バオバブについては、マダガスカルの固有種7種と、アフリカ、オーストラリアそれぞれ1種について、いくつかの遺伝子を解析した結果、進化の時間スケールは大陸移動と関連付けるには新しく、海を越えた分散を考えなければならないことが示唆された。さらに詳しい解析のため、葉緑体ゲノム解析が進行中である。マングローブ域に生育する紅藻アヤギヌの系統地理学的な解析から、それらの分布が大陸移動によるものか、海流によるものかを検証するため、マダガスカルのマングローブ(3カ所)で同藻を採集し、これまでに収集した西オーストラリア、アフリカ、南アメリカ産の同藻との遺伝的な距離を調べている。 マダガスカルの自然植生の残る4ケ所で,植物の送粉共生に関する調査を行った.合計70種の植物で開花を観察し,そのうち約40種で送粉者を記録した.コミカンソウ科Phyllanthus属の3種で,種子寄生性ホソガによる絶対送粉共生の存在が示唆された. マダガスカルの民族文化と自然との関りについての現地調査は、今年度は行わなかったが、昨年度の調査結果の検討と、来年度にむけての準備を行った。
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