2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15255007
|
Research Institution | Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
長谷川 政美 統計数理研究所, モデリング研究系, 教授 (60011657)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 真 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (80204494)
湯浅 浩史 東京農業大学, 短期大学部・環境緑地学科, 教授 (10072620)
池谷 和信 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 助教授 (10211723)
安高 雄治 関西学院大学, 総合政策学部, 助教授 (50336187)
原 慶明 山形大学, 理学部, 教授 (60111358)
|
Keywords | マダガスカルガエル科 / ミトコンドリアゲノム / テンレック / レムール / 原猿類 / バオバブ / 絶対送粉共生 / 生業戦略 |
Research Abstract |
マダガスカル固有のカエル類、マダガスカルガエル科から、アデガエル、マントガエル、イロメガエル3属のミトコンドリア(mt)ゲノムを解析した。後者2属のゲノム構造は、アオガエルと同一であり、アデガエル属では独特の構造を持っていた。本科はアカガエル/アオガエルのどちらに近縁かという点で議論が続いていたが、mtゲノムの特徴と系統解析から、アオガエル科に近縁であると結論した(倉林、長谷川)。 テンレック類各種を用い、前肢運動器官を肉眼解剖学的に比較した。地上性適応群と半地下性適応群の適応戦略を解明した。半地下性適応群における大円筋の発達が注目され、ヘミセンテテス属が同筋を利用して掘削行動を行っていることが示唆された。同様の適応が予想されるオリゾリクテス属においては、同筋は非常に貧弱で、オリゾリクテス亜科とテンレック亜科では半地下性適応の基本的ロコモーション戦略が異なることが示された(遠藤、米澤、長谷川)。 マダガスカル原猿類(レムール類)とアフリカ、アジアの原猿類と進化的な関係を、mtゲノム解析から明らかにした(松井、宝来、長谷川)。 マダガスカル固有のバオバブ6種とアフリカ、オーストラリアのものとの進化的な関係を、葉緑体ゲノムの解析から明らかにした(西本、湯浅、長谷川)。 マダガスカルの2箇所(Mt.MarojejyとTsinjoarivo)において、植物の訪花昆虫相を調査した。いずれも訪花昆虫としてマダガスカルミツバチが優占していたが、自然林ではPachymelus属などのマダガスカル固有のハナバチが観察された。この他,鳥媒,蛾媒,甲虫媒などの植物も観察された。Phyllanthus属4種の植物でホソガによる絶対送粉共生が示唆された(加藤)。 マダガスカル南西沿岸部の半砂漠環境における人々の生業戦略に関する調査を行った(安高)。
|
Research Products
(2 results)