2004 Fiscal Year Annual Research Report
アジアに広がる<噛みたばこ習慣>による口腔がん発症機構の分子病理学的解析
Project/Area Number |
15256005
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
朔 敬 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40145264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
程 くん 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40207460)
依田 浩子 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60293213)
宮崎 秀夫 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00157629)
長尾 徹 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (90261007)
浅川 義範 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (50033874)
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Keywords | アジア民族 / 口腔がん / 上皮内癌 / 異型上皮 / 口腔粘膜下線維症 / 細胞外基質 / 噛みたばこ / 病理疫学 |
Research Abstract |
(1)症例収集と疫学調査:昨年までの中国ほかの症例にくわえて、マダガスカルに研究分担者長尾、スリランカおよびイェメンに研究代表者朔が出張し、口腔がんおよびその前癌病変症例ならびに口腔粘膜下線維症(OSF)を現地の海外共同研究者の協力をえて抽出し、それらの症例を共同で検討した。マダガスカル・マジュンガ地域では口腔診査を実施して患者スクリーニングをおこない、症例収集の可能性を検討し、地域選定が重要なことが判明した。スリランカおよびイェメンでは、噛みたばこ習慣と癌症例との関連が示唆された。 (2)噛みタバコの化学分析:スリランカ、イェメンの各地から収集したビーテル、アレカナッツ、タバコ、カートの化学分析を研究分担者浅川がおこない、基本的性格は共通であるものの地域によって、その成分比が異なることが判明しつつある。 (3)口腔粘膜下線維症に関する分子病理学的実験:(1)で収集したOSF症例のパラフィンブロックから連続切片を作製し、病理組織学的病期を分類した。つぎに、パラフィン切片で免疫酵素組織化学法とin-situハイブリダイゼーション(ISH)法を行い、各病期ごとにヘパラン硫酸プロテオグリカン等の細胞外基質分子の発現を蛋白質および遺伝子レベルで解析し、OSFの病期特異的な細胞外基質分子の発現があり、それらは線維芽細胞によって産生されていることが判明した。 (4)口腔粘膜の上皮内癌と異型上皮に関する分子病理学的実験:(1)で収集した口腔粘膜癌症例について上皮内癌と異型上皮の分類をおこない、とくに二層性異型上皮の概念を確立した。アポトーシスとその関連細胞分布さらにp53遺伝子産物の免疫組織化学とマイクロディセクション法、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法、本年度導入のキャピラリー式遺伝子解析システムで直接シークエンス法によって塩基配列を決定し、遺伝子異常出現パタンから、上皮内癌と異型上皮が判別可能であることをしめした。 (5)口腔粘膜上皮内癌細胞の試験管内解析:(3)(4)で検討した上皮内癌の性状をより詳細に検討する必要が生じたので、同症例より癌細胞を採取して培養することの可能性を検討開始した。次年度からの本格的な検討にむけて培養顕微鏡を更新した。
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Research Products
(4 results)