2005 Fiscal Year Annual Research Report
アジアに広がる<噛みたばこ習慣>による口腔がん発症機構の分子病理学的解析
Project/Area Number |
15256005
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
朔 敬 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40145264)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
程 くん 新潟大学, 医歯学系, 助教授 (40207460)
丸山 智 新潟大学, 医歯学系, 助手 (30397161)
依田 浩子 新潟大学, 大学院医歯学総合研究科, 科研費研究員 (60293213)
宮崎 秀夫 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00157629)
長尾 徹 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (90261007)
|
Keywords | アジア民族 / 口腔癌 / 上皮内癌 / 異型上皮 / 口腔粘膜下線維症 / 細胞外基質 / 噛みタバコ / 病理疫学 |
Research Abstract |
(1)症例収集ならびに疫学調査:検索結果を整理して、患者の年齢、性、各国内地域、民族、腫瘍組織型、噛みたばこ習慣と予後等と地域差異について検討した。とくに前年度イエメン調査結果をまとめてカート噛み習慣と口腔扁平上皮癌発生に関連のあることをしめし、プールで開催された熱帯口腔保健に関する国際会議で発表した。 (2)上皮内癌・異型上皮の診断基準:前年度までの組織化学的解析結果にもとづいて新たに策定した口腔粘膜前がん病変の病理組織学的診断基準をロンドンで開かれたWHO口腔前がん病変協力センター会議で提案し、主として欧州各国の研究者と討議し、さらに米国ブラウン大学でも同様の討議をおこない、同基準の妥当性が評価された。 (3)口腔粘膜下線維症:前年度に引き続き、各国で収集したOSF症例および国内舌癌症例の、アルデヒド・フクシンまたはエラスチンの組織化学的による弾性線維の分布様式の比較によってわが国の口腔がんにおいても線維化が発症背景となっている可能性をしめした。粘膜下の線維化は、さらにリンパ管分布の異常現象によっても顕視化可能であること、さらに線維化の開始にヘパラン硫酸プロテオグリカン・パールカンの沈着の関与の可能性をしめした。 (4)口腔粘膜の扁平上皮癌と異型上皮:収集した口腔粘膜扁平上皮癌、上皮内癌、異型上皮症例について、組織化学、微小切り出し、RT-PCRによる解析をすすめた結果、ケラチン分子種と細胞周期マーカの組み合わせによる上皮内癌と真性異型上皮の客観的診断を可能にした。パラフィン切片上でケラチン13の遺伝子発現解析を可能にし、不顕性化する同遺伝子プロモータ領域の解析を開始した。 (5)噛みたばこ成分の解析:昨年に引き続き、各地から収集した噛みたばこ標本について有機化学的に精密分析をおこなう。成分の地理的相違と発癌性予測、発癌状況との関連の検討をすすめた。
|
Research Products
(6 results)