2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15300083
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
大友 一雄 国文学研究資料館, アーカイブズ研究系, 教授 (30169007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 実 国文学研究資料館, アーカイブズ研究系, 教授 (20296180)
山田 哲好 国文学研究資料館, アーカイブズ研究系, 助教授 (70220390)
渡辺 浩一 国文学研究資料館, アーカイブズ研究系, 助教授 (00201179)
五島 敏芳 国文学研究資料館, アーカイブズ研究系, 助手 (90332139)
加藤 聖文 国文学研究資料館, アーカイブズ研究系, 助手 (70353414)
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Keywords | アーカイブズ / 史料所蔵機関 / 古文書 / 記録 / 図書館 / 文書館 / 博物館 / 公民館 |
Research Abstract |
本研究は、わが国における古文書・記録類など文字資料群の所在と、それらの公開に関する経緯の解明を目的とする。すなわち、我が国における文字資料類は、文書館(アーカイブズ)の設置が遅れたこともあり、図書館・博物館・公民館など様々な機関に散り散りに収蔵され、各機関が如何なる情報を有するものか把握しにくい状況にある。情報の集約は学術情報の基盤整備という面でも重要である。 研究着手2年目である今年度は、当初の研究計画にしたがい九州・四国・中国地方を対象に調査研究を実施した。進捗は次の通りである。 1.対象地域の古文書・記録類の保存公開機関を取り調べ、それらの機関が公開する文書・記録類に関する情報を収集した。作業は各機関刊行の文書目録、インターネット提供情報を確認のうえ、アンケートと現地調査を行う方法を取った。アンケート発送数は九州459機関、四国208機関、中国325機関に及ぶ。現地調査は各県4・5機関前後である。より具体的な回答を得るため、今年度より事前に主要機関の収蔵文書群情報を取り調べ、アンケートに同封した。準備にかかわり一部アンケートの発送が遅れた地域もでたが、多くの機関から協力を得て、1万件を越える回答を得ることができた。ただし、県立の文書館などでは公開文書群数が数千に及ぶケースが多く、全ての機関から年度内に回答を得ることはできなかった。また、所蔵機関の都合により、調査を果たせなかった箇所も存在した。なお、昨年度の活動に関わり補充調査を一部実施した。 2.現地調査などを通じて、古文書・記録類が収蔵された経緯を調査した。地域の図書館・公民館・博物館などが歴史文化資料の保存機関として、どのような役割を果たしてきたものか、その成果と課題に関する検討が狙いである。前年度にも報告したが、都道府県レベルで捉えた場合、文書・記録類の保存公開状況は、文書館の存在が保存規模や保存システムのあり方を強く規定する場合が多い。ただし、市町村の場合、図書館・博物館がとくに地域史料の保存において重要な役割を果たしている場合が少なくなかった。経費的な問題も重要であるが、各機関での取り組みや工夫に学ぶ点は少なくない。 3.集約中の機関情報と史料群情報を当館HPを利用して発信する準備にかかわり、当館がすでに有している「史料情報共有化データベース」の機能拡充を行った。拡充点は機関情報発信のための項目を付与し検索を実現させたことであり、これによって集約してきたデータを発信するための準備が整ったことになる。
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Research Products
(5 results)