2003 Fiscal Year Annual Research Report
ハイパワー持続能力を高めるフィールド用間欠運動トレーニング負荷設定に関する研究
Project/Area Number |
15300220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
平川 和文 神戸大学, 発達科学部, 教授 (00093526)
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Keywords | 間欠運動 / ハイパワー持続能力 / 有酸素的作業能力 / 無酸素パワー / 2次元DLT法 |
Research Abstract |
本年度は,サッカー,ラクロス,アメリカンフットボールについて,VTR分析から選手および各競技の動きの特徴を,心拍数・血中乳酸から身体エネルギー特性を検討し,各スポーツの間欠運動としての特性分析を行った.また各競技選手の有酸素および無酸素的能力を測定し,間欠運動時ハイパワー持続能力との相互関係も検討し,間欠運動トレーニング負荷設定のための基礎資料を得た. 本年度の研究の概要を男子ラクロス競技について述べる.被験者には,関西選抜選手15名を用いた.2試合の選手の動きをコンピュータにデズタイズして取り込み,2次元DLT法により選手の変位,移動速度,運動及び休息に要した時間を算出した.また,試合中の選手の心拍数変化と血中乳酸値を測定した。その結果,次のことが明らかとなった.(1)ラクロスは,1試合につき,約30分の出場時間で5000m程度の移動をしていた.これはサッカー選手に比べて移動距離や出場時間は少なかったが,高速度(無酸素的作業閾値に相当する速度以上)で移動している割合はラクロス選手の方が多かった.(2)1回の出場につき約2分の出場時間で300m程を移動していた.これを3〜4分の休息時間を挟んで反復していた.(3)心拍数は130bpmから190bpm付近の間で頻繁に増減を繰り返しており,平均心拍水準や血中乳酸濃度はかなり高いものであった.(4)熟練者群は未熟練者群に比べて無酸素的能力が有意に高く,有酸素的能力も高い傾向にあった.ラクロスの試合を模倣した間欠運動時の最大無酸素パワーは無酸素および有酸素の両能力に影響されるが,ハイパワー低下率は有酸素的能力に影響されなかった.(5)ハイパワー持続能力は無酸素型群と有酸素型群との間に有意な差は見られなかった. 以上のことから本年度研究において。実分析により試合中の動きをシュミレートした間欠運動テストにおいてハイパワーを持続させるためには,高い無酸素的能力の重要性が示唆された.
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