2003 Fiscal Year Annual Research Report
我が国におけるメディアリテラシーの理論と実践カリキュラム開発研究
Project/Area Number |
15300286
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小笠原 喜康 日本大学, 文理学部, 教授 (20194417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 賢一 関西大学, 総合情報学部, 教授 (80268325)
村野井 均 福井大学, 地域科学部, 助教授 (10182130)
鈴木 克明 岩手県立大学, ソフトウェア学部, 教授 (90206467)
浅井 和行 京都教育大学, 附属教育実践総合センター, 助教授 (30324718)
木原 俊行 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (40231287)
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Keywords | メディアリテラシー / 批判的思考力 / インターネット / 学力論 / カリキュラム開発 / カルチュラル・スタディーズ / 放送 / ・視聴覚教育 / 情報教育 |
Research Abstract |
研究の初年度にあたる本年度は、主に下記の3分野の理論的な研究をおこなった。 1.メディアリテラシーとは、どのような概念であるのかという基礎理論研究 2.メディアリテラシーにかかわる教育メディアの基礎的・実践的な課題 3.メディアリテラシーの具体的な授業プログラムの現場と課題 第1の分野は、このメディアリテラシーという概念が極めて広い範囲に及ぶ恐れがあることから、今後の具体的教材開発の方針を立てるためには、是非ともクリアーしておかなくてはならない問題領域と考えられる。これはまた今後の新たな「学力」像を描く上でも必要なものと思われる。 第2の分野は、メディアリテラシーの研究も、すでにこれまである程度の研究実績のある分野である事から、従来の放送教育・視聴覚教育の研究において、このメディアリテラシーがどのように考えられ、現在その実績がどのように反映されているかを考察しておく必要があると思われる。 第3の分野は、すでにいくつかの教育現場での実績があることから、そうした具体的場面では、どのような課題が実践的にあるのかを確かめるために行われた。それはまた、現在教育現場でメディアリテラシーをどのように受け止めているのかを探ることでもある。 以上の研究から、このメディアリテラシーは、単にマスメディアからの情報を批判的に吟味するという観点を越える、全く新しい概念で捉え直さなくてはならないことが次第に明らかとなってきた。それだけに、これをより具体的なレベルに下ろすためには、学力の考え方、学校の役割、今後の社会の構造という問題にも目を向けていかなくてはならないことが明らかとなってきた。
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[Publications] 木原俊行: "各教科・総合的な学習における情報教育の構造的展開"教育展望. 第49巻第9号. 20-27 (2003)
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[Publications] 浅井和行: "デジタル化時代の教育放送番組のあり方"教育メディア研究. 第9巻第2号. 50-54 (2003)
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[Publications] 久保田賢一: "「総合的な学習」における異文化間教育:学びのパラダイム転換"異文化間教育. 17号. 12-25 (2003)
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[Publications] 鈴木克明: "Web Site Design and Evaluation for NHK High School TV Programs : A Trial Study for Blended e-Learning Environment"日本教育メディア学会研究会集録. 第13号. 68-73 (2004)
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[Publications] 村野井均: "子どもの発達とテレビ-メディアリテラシー教育のいま(1)学校で番組作りを教える時代"児童心理. 第57巻4号. 403-408 (2003)
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[Publications] 小笠原喜康: "メディエイトする身体-第三レベル教育メディア研究への模索-"教育メディア研究. 第10巻2号(印刷中). (2004)
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[Publications] 小笠原喜康: "インターネット完全活用編 大学生のためのレポート・論文術"講談社. 269 (2003)