2004 Fiscal Year Annual Research Report
都市の高層化と高密度化に伴う都市温暖化と緑地の緩和効果
Project/Area Number |
15310003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安田 延壽 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30004419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 俊樹 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80302074)
持田 灯 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00183658)
余 偉明 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60251716)
松島 大 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50250668)
石田 祐宣 弘前大学, 理工学部, 助手 (60292140)
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Keywords | 都市温暖化 / 非静力学大気モデルの改善 / 都市温暖化を緩和する都市内緑地 / 都市人工廃熱 / 都市キャノピーモデル |
Research Abstract |
前年度に引き続き大気の非静力学メソモデルを仙台平野と大崎平野を含む宮城県ほぼ全域に適用した。海水面温度の日変化はないとし、陸面では、正味放射量、顕熱フラックス、潜熱フラックス、地中への伝導熱が釣り合うとし、地表面温度と各種の熱フラックスを計算した。地中の深い所で地温は一定とし、数値としては気温の気候値を与えた。地中熱伝導は地表面温度と地中の温度差に比例するとした。これらの簡単化は、前年度に高速並列計算機によっても非常に長い計算時間を要するため行った措置である。大気の水平分解能は1kmで、地表面状態に対応するパラメータも1km毎に与えた。これらの簡略化を行っても、結果は前年度のモデルと大きくは変わらず、昼間に都市域が郊外より高温になり都市温暖化を示した。パラメータを変えた実験的計算により、その原因は郊外では都市域より草地や森林が多いので潜熱が大きく、潜熱フラックスと顕熱フラックスを加えたフラックスも、都市域より郊外の方が大きい事に依る事が明白となった。前年度に既に明らかになっていた非静力学モデルに基づく大気の日変化に長い時間を要する問題については、以上のような地中熱伝導量の計算方法やパラメータの与え方の簡略化によって幾分解消されたが、本質的な改善には至らなかった。主要な原因は気圧の陰解法計算に長時間を要する為であり、気圧の計算を陽解法的にする必要に迫られた。さらに、仙台市のような、巨大都市ではない中都市の場合、都市内の植生の影響を調べるためには、地表面近くだけでも200m程度の分解能を持つよう、ネスティングも必要とされる事が示唆された。これらの問題に加えて、地中熱伝導を支配するパラメータに任意性が出やすいので、大気と異なり土壌は動かない事に基づいた解析解の併用を行う事にし、改善に着手した。別な解析により、仙台市中心部の人工廃熱は数十W/m^2であることが分かった。
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Research Products
(5 results)