2005 Fiscal Year Annual Research Report
都市の高層化と高密度化に伴う都市温暖化と緑地の緩和効果
Project/Area Number |
15310003
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安田 延壽 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30004419)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 俊樹 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80302074)
持田 灯 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00183658)
余 偉明 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60251716)
松島 大 千葉工業大学, 工学部, 助教授 (50250668)
石田 祐宣 弘前大学, 理工学部, 助手 (60292140)
|
Keywords | 都市温暖化対策 / 樹林 / 都市内に散在する樹林 / 樹林蒸発散の縁辺効果 |
Research Abstract |
平成17年度は研究の最終年度であり目的を完遂する必要があった。その為ネスティング手法等の当初計画を遂行したが幾つかの困難が生じ方法を一部変更して目的を達成した。ネスティングを大きく進めると誤差が大きくなる事である。又何れの方法でも水平格子間隔が数十m以下になると従来の乱流モデルでは不都合が生ずる事である。従来の乱流輸送モデルは観測・実験に合うような実験公式を非定常・非一様場に拡大してきた物で格子間隔が小さくなると、運動エネルギー等の正の量が負になったりする等破綻する。格子間隔については水平二次元モデルを用いてネスティングを行わない方法を同時に試みた。これにより現在の大型計算機でも十分に格子間隔を小さくできた。乱流モデルについては、流体力学の方程式に戻り本研究のような局地域を小さな格子モデルで解析するのに適する関係式を導き、従来の方法と組み合わせて使用した。その結果、樹木の葉からの蒸散によって都市高温化を防ぐ為には、大きく纏まった「鎮守の森型」森林公園を作るよりも、同じ樹木の本数ならば建築物との適切な間隔で散在させて植えることが適切であることが分かった。主要な理由は散在させると水面蒸発の場合の縁辺効果と同じ効果が起こり、同じ樹林面積率に対してその数倍の蒸発散が起こる事である。又、葉面積指数の大きい樹木の太陽光反射率が低く熱を良く樹木が吸収し蒸発散のエネルギーと光合成に効果的に用いられ、熱の形で残り難い事も重要な要因である。関連して道路や建築物上に降った降水を如何に有効に土壌水にするかということが大切になる事と、散在した状態で樹木が自生できる条件を作ることの重要性が示唆された。又、建築物上に樹木を植える試みがあるが、エネルギーを用いて屋上に水を輸送せねばならないので本研究結果からするとそのような方法には限界があることも分かった。
|