2004 Fiscal Year Annual Research Report
極域雪氷中の環境変動シグナル抽出と環境情報復元に関する研究
Project/Area Number |
15310016
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
本山 秀明 国立極地研究所, 研究教育系, 助教授 (20210099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 理行 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (20125214)
神山 孝吉 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (70135507)
橋田 元 国立極地研究所, 研究教育系, 助手 (00280537)
藤田 耕史 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (80303593)
亀田 貴雄 北見工業大学, 工学部, 助教授 (00233974)
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Keywords | 雪氷 / 環境変動シグナル / 氷床コア / 定着 / 圧密過程 / 基本解析 / 詳細解析 / 形成過程 |
Research Abstract |
雪氷表面の堆積過程や積もってから環境変動シグナルが定着するまでの過程を研究することが氷床コア研究に対して重要であり、ミクロな視点からマクロな問題の解明、物理的手法と化学的手法の融合を目的とし、雪氷試料から抽出できる環境変動シグナルの形成過程を研究している。本年度は南極内陸の涵養量が年間30mm未満であるドームふじ氷床コアを、8月に国内の多数の研究者と共同で集中解析した。南極・北極で採取した雪氷コアに共通する基本解析について、観測方法とその解析からわかる情報を以下に記す。(1)層位:目視観察→堆積状況、年層、火山灰。(2)密度:電子天秤→雪の圧密氷化過程、堆積速度。(3)固体電気伝導度:専用機→氷の物性、酸性度(季節変化)、大規模火山爆発。(4)酸素・水素同位体組成:質量分析計→気温変化、水蒸気輸送、季節変動、降水量。(5)化学成分:イオンクロマト→エアロゾル成分、大陸・海洋・大気の状態。(6)トリチウム濃度:液体シンチレーション→示準層(核実験)検出での年代決定。現在分析中であるが環境変動シグナルの保存される程度がわかりつつある。また、雪氷試料からの環境変動シグナルの抽出をするため詳細解析の準備を行った。詳細画像解析装置に周辺設備を購入し、雪粒子の微細な構造を解析し、雪粒子の水平分布・垂直分布や氷板の形成状況も詳細に解析する方法を引き続き研究している。国内での積雪観測を3月に実施した。極域での氷コア掘削に関しての打ち合わせを数回実施した。また8月から9月にかけて上記研究課題を中国の研究者と共同で研究を進めるため、中国極地研究所にて研究打合せを行った。また、天山No.51氷河にて雪氷気象観測を実施し、高山地域での氷河・氷床掘削のための高度順応訓練も行った。極域雪氷試料を採取する方法にコア掘削技術がある。9月にはドイツにて、氷床深層掘削技術の国際会議に出席して、日本の掘削技術と深層掘削計画を紹介した。
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Research Products
(6 results)