2005 Fiscal Year Annual Research Report
極域雪氷中の環境変動シグナル抽出と環境情報復元に関する研究
Project/Area Number |
15310016
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
本山 秀明 国立極地研究所, 研究教育系, 助教授 (20210099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 秀二 国立極地研究所, 研究教育系, 助教授 (30250476)
東 久美子 国立極地研究所, 研究教育系, 助教授 (80202620)
佐藤 和秀 長岡工業高等専門学校, 教授 (80113398)
西尾 文彦 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 教授 (40044789)
鈴木 啓助 信州大学, 理学部, 教授 (60145662)
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Keywords | 環境変動 / 気候変動 / 極域 / 雪氷 / 地球観測 / 氷床コア |
Research Abstract |
極域で採取された雪氷試料の解析を実施した。計画していた国内での積雪観測は、研究代表者が冬期に長期海外出張のため中止した。 昨年度に引き続き2001年に採取された南極ドームふじコアを解析対象として基本解析を実施した。解析する環境変動シグナルとその環境情報復元要素は、(1)目視層位→堆積状況、(2)密度→雪の圧密氷化過程、堆積速度の基本情報、(3)固体電気伝導度→氷の物性、酸性度(季節変化)、大規模火山。(4)酸素・水素同位体組成→気温変化、水蒸気輸送、季節変動、降水量、(5)化学成分→エアロゾル成分、大陸・海洋・大気の状態。基本解析とともに特定解析も実施した。特定研究としては、より詳細な環境変動研究や、宇宙線生成核種や硝酸の解析による太陽活動史の復元を行った。 基本的なコア情報となるコアの年代に関しては、火山噴火の痕跡を電気伝導度と非海塩起源硫酸濃度の変動から検出することで概ね5年以内の精度で決定した。このドームふじコアに関しては、1993年に44m離れた地点にて同様な浅層コアが採取されており、この両者の比較から興味ある研究成果が得られた。特に酸素同位体組成の変動に関しては、一様に思われているドームふじの堆積環境が数十m離れてしまうと異なる結果として現れてしまい、堆積時と堆積後の変化に局所的な影響が大きい。化学成分では同様な変動と異なる変動を示す要素がある。これらを総合的に検討することで、3029mまでの氷床深層コアから得られる環境変動シグナルを過去の環境情報に復元することを、今後早急に研究すべきであると判明した。なお、科学研究費補助金の最終年度であるので、研究成果を国内外で発表し、また報告書を作成する予定である。
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Research Products
(11 results)