2005 Fiscal Year Annual Research Report
熱的および化学的に安定な一次元ナノ反応場における単結晶磁性体ナノワイヤの水熱合成
Project/Area Number |
15310068
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
京谷 隆 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90153238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折笠 広典 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (90375163)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 磁性体 / ナノワイヤ / 高密度磁気媒体 / 水熱反応 / 電気メッキ |
Research Abstract |
炭素で被覆されたアルミニウム陽極酸化皮膜の直線状ナノ細孔は炭素の高い熱および化学安定性のため、高温の酸やアルカリを用いた水熱合成の反応場となり得る。この一次元ナノ空間でフェライトなどの磁性体を水熱合成すれば、その空間規制のためサイズの揃った単結晶の磁性体ナノワイヤの生成が期待できる。前年度までは一次元ナノ空間の創製を行い,ナノ空間での水熱法による単結晶のナノワイヤの合成,さらに電気メッキ法による磁性体ナノワイヤの合成に成功した。とくに,電気メッキ法ではすぐれた点が多く,本研究ではこの方法による磁性体ナノワイヤの合成に力を注いだ。前年度までは電気メッキ可能な金属はFe-Ni合金だけであった。しかし、Fe-Ni合金は軟磁性体であるので超高密度磁気媒体には不向きである。そこで,本年度はコバルト,鉄,ニッケルなどの単金属のメッキを試み、ニッケルのメッキに成功した。 前年度までの方法ではメッキ前に炭素被覆膜の外表面に堆積した炭素膜だけはあらかじめ酸素プラズマ処理などの方法で取り除いていた。この処理がないと,金属は炭素被覆膜の外表面だけにメッキされ,膜内の炭素被覆一次元ナノ空間には金属が入り込まない。しかし,炭素被覆膜の外表面に堆積した炭素膜は超高密度磁気媒体として利用した場合に潤滑膜あるいは保護膜となり,この炭素膜を取り除かず処理することが望ましい。そこで,メッキ条件の最適化をさらに進め,炭素被覆一次元ナノ空間のサイズや形を変えることで,炭素膜の除去無しでメッキにより金属がナノ空間に充填される条件を探索し、最終的に外表面の炭素膜が存在してもナノ細孔へのFe-Ni合金のメッキができる条件を見出した。
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Research Products
(6 results)